パパ、コンビニのフランチャイズオーナーって結構多いみたいだけど、仕事として儲かるのかなぁ。
仕事としてはかなり大変な部類だよ。
ただ多店舗展開が出来れば「メガフランチャイジー」として企業経営が出来るそうだよ。
でも実態は1店舗運営するだけで精一杯のケースが多いんだよね。
パパはお友達がコンビニ経営してるし結構詳しいんだよ。
そうなの!?
じゃあパパ、コンビニ経営の実態についてわかりやすく教えてくださーい♪
こんにちは!個人的には事業としてコンビニのフランチャイズオーナーはやりたくないあいろん(@iron_money)です。
今回は「コンビニ経営の闇とオーナーの実態」を中心に記事にしていきます。
この記事は、こんな方に向けて書いています。
結論としては、下記になります。
それでは早速いってみましょう!
今回の参考書籍:「コンビニオーナーぎりぎり日記」
「休日が取れなくなって、今日で1057日目。もう3年近く、1日も休んでいないことになる」
上記のような衝撃の書き出しで始まる本書は、コンビニの実態を現役オーナーが赤裸々に語っている「ぶっちゃけ系」書籍です。
パパが大好きな「日記」シリーズだね♪
住宅営業のお話も面白かったけど、今回も中々興味深かったね。
コンビニのフランチャイズオーナーが厳しいとは知っていましたが、本書を読んだら想像以上すぎて言葉になりませんでした…
日本全国のコンビニ店舗数は5万7,544店(2021年度)で、店舗は乱立を極めます。
そんな中、本書ではファミリーハート(仮称)の現役フランチャイズオーナーが悲喜こもごもの感情を綴っています。
少なくとも、コンビニのフランチャイズオーナーになろうとしている人は必読です。
コンビニはほとんどの人に関わっているだけあって、単純に読み物としても面白いです。
本書を読んでいくと、「なんでコンビニオーナーになるのか」「どれくらい過酷なのか」が良くわかります。
今回は特にパパが気になったポイントを掘り下げてご紹介します♪
コンビニオーナーになぜなる?多いのは「転身組」
「コンビニのフランチャイズは労働条件が過酷である」
「本部にロイヤリティーが取られるので、フランチャイズは儲からない」
上記のような言葉を聞いたことのある人は多いと思います。
事実、コンビニ経営を全く知らないわたしでさえ上記のような話は知っていました。
本書では、後述しますがコンビニの契約形態についても触れています。
- 1FC…土地も店舗も自前で用意
- 2FC…土地と店をコンビニから借りて運営する
本書によると、本部に支払うロイヤリティーは1FCだと36〜49%。
2FCは65〜70%だそうです。
上記の通り、契約形態によってロイヤリティーは全く異なります。
土地と店を持つ酒屋などの自営業者が「1FC」でコンビニになるケースも多かったそうです。
なんとなくフランチャイズオーナーというと「2FC」を想像しちゃうけど、確かに1FCだったらコンビニに変えた方が生計が成り立ちそうという感覚はあるね。
コンビニオーナーになるのは、みんなそれぞれ合理的に考えた末の理由があるんだね。
謎が解けたね。
コンビニオーナーの驚きの「3つの数字」
- 休日が取れなすぎる「1057連勤」
- 本部へのロイヤリティー「48%」
- 2年間の食費は「実質0円」
①休日が取れなすぎる「1057連勤」
本書には、休日が取れなすぎるコンビニオーナーの実態がこれでもかと記されています。
前述の通り、本書の現役オーナーは執筆時点で「1057連勤」中です。
「コンビニの仕事で1番大変なことはなんですか?」と聞かれれば、ほとんどの店長が「シフト」と答えるそうです。
24時間365日を限られた人員でまわし続けるって、考えただけで気絶しそうになるよね。
コンビニ店員の中心であるアルバイトには、シフトを埋める責任はないからね。
空けた穴は全てオーナーが埋めないといけない分、きついよね。
令和2年9月公表の公正取引委員会「コンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査報告書」によると、オーナーの実態は下記だそうです。
オーナーの実態 | |
---|---|
1週間あたりの平均業務日数 | 6.3日 |
年間の平均休暇日数 | 21.3日(月に1.8日) |
1週間あたりの平均店頭業務時間 | 44.4時間 |
年間の平均深夜勤務日数 | 84.7日(月に7.1日) |
ブラック企業がぬるく見えるほど、過酷です。
フランチャイズオーナーの場合は経営者の扱いのため、労働基準法など法律で守られないのがポイントです。
「1057連勤」って3年近く休んでいないってことなので、その異常性が良くわかります。
こんなに働いていたら、仮に運営がうまくいって稼げたとしても心身を病んでしまう人がいるのも納得だよね。
②本部へのロイヤリティー「48%」
前述の通り、過酷な労働条件を強いられるコンビニ経営。
その中で特筆すべきなのが、「コンビニ本部へのロイヤリティーの高さ」と本書は指摘しています。
土地と店舗を借りるかどうかにより形態は変わりますが、本書は執筆当時「48%」のロイヤリティーだったと語っています。
汗水流して働いても、半分は本部の取り分。
まるで税金です。
更に特徴的な「コンビニ会計」の仕組みはオーナーを更に苦しめます。下記の例を見てみましょう。
- 売上:100円×8個=800円
- 原価:70円×8個=560円
- 粗利:800円-560円=240円
- 本部へのロイヤリティー:240円×48%=115.2円
- お店の利益:124.8円
おお、順調に利益が出ているね♪
そるとちゃん、これは8個すべてを発注して売りきった場合だよ。
次は10個発注して2個売れ残った場合で見てみよう。
- 売上:100円×8個=800円
- 原価:70円×10個=700円
- 粗利:800円-700円=100円
- 本部へのロイヤリティー:240円×48%=115.2円
- お店の利益:−15.2円
えっ、なんで粗利が100円なのにロイヤリティーの基準は240円なの??
マイナスになっちゃってるじゃん!
これが俗にいう「コンビニ会計」の怖さだよ。
売れ残りを計算に含まず「廃棄ロス」は全て店舗側の負担になるんだ。
純粋に販売数に対してロイヤリティーは計算されるから、店舗側の原価なんて知りませんって本部が言ってるようなもんだよね。
それなのに本部は「販売機会損失」を恐れて多めに店舗に発注させようとするから、コンビニ経営は儲かりづらいとされているんだね。
やっと仕組みが理解できたよ。
さすがに上記の状況に待ったがかかったのか、2023年現在ではファミリーハートは「廃棄ロス分担金」という補助が出るようになったそうです。
しかし上記のおにぎりのケース(10個仕入れ、8個販売、2個廃棄)に当てはめると、助成金は原価140円×10%=14円になるそうです。
結局、上記のケースだと助成金が出てもマイナスだね。
これは闇が深そうだね。
「ロイヤリティーの高さ」「高リスクな廃棄ロス」はコンビニ経営を圧迫する主要因です。
この条件では適正な利益すら確保できなくて当たり前だと感じます。
③2年間の食費は「実質0円」
パパ、話を聞いているとコンビニオーナーはだいぶ大変そうだね…なにかいい部分はないの?
そうだなぁ、いいことかは微妙だけど「食費がかからない」という点は良いのかもね。
まぁ、結局廃棄っていっても自分で買ってるようなものだけどね…
前述の通り、ロイヤリティーをはじめとした「コンビニ会計」のルールはオーナーを苦しめます。
そんな中、本書には衝撃的な下記のような記載があります。
「食」は贅沢さえいわなければ、すべて廃棄で賄える。サラダ、肉料理、魚料理、お惣菜、果物、デザートまで毎食フルコースだ。
本書のオーナーさんはここ2年ほど、毎食廃棄を食べて生きているそうです。
息子さんは「母親の味はファミマの廃棄」と言っているそうです。
食費がかからず、仕事もそれなりにあるから家族が食いっぱぐれる心配はないよね。
まぁ毎食コンビニで食べたくはないけど。
ラップアップ
今回は「コンビニ経営の闇とオーナーの実態」を中心に記事にしていきました。
地域に根ざすという意味では、やりがいもあるでしょう。但しそれだけで手を出すのは危険すぎるという点も事実です。
コンビニのフランチャイズオーナーに興味がある方にとって、参考になれば幸いです。
最後に一言。
本記事のような真実を知ってしまうと、コンビニは本当に「24時間365日」空いている必要があるのかと感じます。
それではまた!