パパが珍しくクイズの本読んでる〜!
副題が「会計クイズ」とついている本なんだけど、クイズ形式で企業のB/SとかP/Lを学べるからおすすめだよ。
何より普通に楽しい(笑)
面白そう〜!そるとにも読ませて〜♪
(そるとちゃんの歳で会計に興味を持たせるとは…会計クイズおそるべし)
こんにちは!社会人の教養の三種の神器「英語・会計・IT」の中で会計が1番大事だと思っているあいろんです。
今回は書籍「会計クイズ」の実例について4パターンの紹介をしていきます。
この記事は、こんな方に向けて書いています。
結論としては、下記になります。
それでは早速いってみましょう!
今回の参考書籍「世界一楽しい決算書の読み方」
決算書はビジネスマンにとって「何も知らないまま読み込もうとすると、難しくて挫折しやすい」
という特徴があります。
そしてそれは「自分ごととして理解ができないから」という事に他なりません。
「世界一楽しい決算書の読み方」著者の大手町のランダムウォーカー氏はTwitter上で会計クイズというイベントを通じて決算書の紹介や分析をしています。
あいろんは本書で会計クイズの存在を知りましたが、会計クイズが特徴的なのは下記になります。
小売りや外食、アパレルや鉄道など日常で利用する会社が多いのでとっつきやすい
「原価」「利益率」など、同業種でも異なる点を切り口にしているので面白い
会計の知識があると日常の選択まで賢くなるという点をしっかり言及している
あいろんも20代で株式投資をはじめ、「財務分析」なる作業に四苦八苦した経緯があります。正直もっと早く会計クイズと出会いたかったなぁという気持ちです(笑)
書籍ではTwitter上で反響の大きかったクイズをまとめているだけあって、控えめに言って読み応え抜群です。
今回は書籍でたくさんの会社の実例が取り上げられている中でも、特にあいろんが唸った「決算書面白ポイント」の内容を4点ご紹介します。
正直、今まで数十冊以上は読んでいる会計系の本の中で1番面白かったし役に立ちます。
クイズ形式だから学生さんや新入社員さんでも読めるくらいのサクサク感だよ♪
決算書から見える面白ポイント4選
- ドトールVSルノアール、原価率が高いのはどっち?
- セブンイレブンの売上原価はなぜ低い?
- コストコの収益源は「会員収入」
- ユニクロVSZARA、利益率が高いのはどっち?
①ドトールVSルノアール、原価率が高いのはどっち?
ともにコーヒーチェーン店である「ドトール」と「ルノアール」ですが、コーヒー1杯の値段が異なるのはなぜでしょうか。
ドトール・日レスHDと銀座ルノアールそれぞれの決算書からその内容は読み解けると本書では書かれています。
ドトールは回転率を重視しているので、長時間の滞在を前提としていません。
一方のルノアールは顧客に快適な空間を提供する代わりに、代金も商品に組み込む戦略を取っています。
従って、損益計算書(P/L)における原価率には下記の通り驚くほど大きな差が出ています。
同じコーヒー屋さんでこんなに原価率が変わるなんてビックリだね。
コーヒー1杯にそこまでの原価差はないだろうからね。コーヒー屋さんの1番の原価の違いは「くつろぎ」に現れるということだね。
②セブンイレブンの売上原価はなぜ低い?
コンビニエンスストア最大手、セブンイレブンを利用したことがない人はほぼいないでしょう。それくらい私たちにとって身近で、もはやインフラに近い存在です。
しかしながら、セブンイレブンのP/Lを読んだことがある人は少数だと思います。
セブンイレブンのP/Lからは特徴的な事実が読み取れます。セブンイレブンはモノの販売がメインではなく、「フランチャイズ収入」が88.5%を占めています。直営店の売上は僅か10.7%しかありません。
一方でセブンイレブンのP/L原価には直営店分の原価しか反映されません。
上記から、P/L上のセブンイレブンの原価率は7.7%という驚異的な低さで表されます。
本書では実際にフランチャイズ分の仕入れも含めた原価率を計算していますが、その場合は72%と全く違う数字が見えてきます。
「コンビニはフランチャイズ収入が大半を占める」
「P/L上の原価率は直営店分しか含まれない」
数字の違和感に気づくと、上記のようなビジネス慣習や見せ方が突き止められます。本件は決算書の内容がわかるとビジネスの内容まで頭に入りやすくなるという1つの好例だと言えるでしょう。
興味を持って決算書を読み込めば面白い事実に気づけることがあるんだね。
そうそう。「コンビニなんて薄利多売なビジネスだから原価率は高いはずなのになんで7.7%しか原価率がないんだろう?」と違和感を感じられればもう立派な会計マスターだね。
③コストコの収益源は「会員収入」
売上高世界2位の小売り業者、「コストコ」は日本でもファンの多いお店です。
コストコの最大の特徴は「ほぼ原価で商品が買える事」。
では、何でコストコは利益を出しているのでしょうか?
正解は「会員収入」です。
P/L上のコストコの営業利益率は3%となっていますが、営業利益の実に70%を会員収入が占めるそうです。
上記より、コストコのビジネスの最大の鍵は「どうやって会員を増やすか」ここに集約されてきます。
コストコのように限りなく原価に近い料金で仕入れたものを販売している会社は、ほぼ例外なく「会員収入」を柱としています。
私もコストコはよく使いますが、本当に安くて良い商品が多いので助かっています。
消費者がファンになればそこが呼び水になって更に会員が増えていく…というビジネスモデルだからね。
そういう意味ではママも企業の思惑に乗っかってるね(笑)
④ユニクロVS ZARA、利益率が高いのはどっち?
アパレル界で売上高世界No. 1の会社、「ZARA」ブランドを抱えるインディックスと日本No. 1の「ユニクロ」を持つファーストリテイリング。両社の利益率はどのくらい違うのでしょうか?
正直、消費者から見ると店頭で服を買うという行為自体は一緒なので差が見えづらいですよね。
正解は、インディックスが17%、ファーストリテイリングが11%です。営業利益率においてこの6%の差は相当に大きい差となっています。
共にSAP(自社企画生産)モデルの両社がもっとも異なるのは「商品を売るターゲット」だと本書は主張しています。
商品を売るターゲット
「広い対象に汎用性の高い服」を提供
「新しいコーディネートアイデアや商品との出会い」を提供
上記よりユニクロは「在庫を多めに保有」するビジネスモデルになりますが、逆にトレンドファッションを売りにするZARAは「売れるだけしか在庫を持たない」ビジネスモデルになります。
アパレルにおいて、在庫資産回転期間は大きく利益に直結します。これがユニクロとZARAの利益率の差をP/Lから読み解くカラクリです。
買う側から見たら同じようなお店でも、在庫の持ち方とかターゲットで利益が変わるなんておもしろーい!
そるとちゃん、まさにその通りだね。
そしてユニクロは在庫を多く持つビジネスモデルだと知っていれば「ユニクロの商品は値引きされやすい」という事実を把握できるから消費者としても有利なんだよ。
ラップアップ
今回は書籍「会計クイズ」の実例について4パターンの紹介をしていきました。
決算書から見える世界は奥深く、モノの見方を立体的にしてくれます。
単純にクイズとしても面白いので是非参考にしてみてください。
最後に一言。
普段利用している会社を、違う側面から見ることによって気づきを得る面白さが決算書には秘められています。
それではまた!