パパ、その本何回も読み返してるよね〜。
エリートになりたいの?(笑)
いや、定期的に読み返すと初心者でも実践できる良いこと書いてあるんだよ。
出来る人ほど思考はシンプルで再現性がある、ということだね。
それも良いけどパパは10年も投資の世界にいるんだから、いいかげんエリート投資家になってください!
返す言葉がない…
こんにちは!凡庸投資家のあいろんです。
今回は投資の道を生きる人にとっては読んだ方が良い良書「世界のエリート投資家は何を考えているのか」から大事な部分を抜粋して紹介します。
この記事はこんな方に向けて書いています。
それでは早速いってみましょう!
本書の構成について
「世界のエリート投資家は何を考えているのか」は文章に少しクセがありますが、内容としては至極真っ当でためになる内容の多い良書です。
具体的には下記の通り、他の書籍において真似できない特徴があります。
著者のアンソニー・ロビンズ(以下、愛称のトニー)氏はアメリカにおいて著名なコーチであり、著者は最大限自分の立場を利用しながら各界の著名人たちへインタビューを行います。
バンガード社創業者においてインデックスファンドの生みの親であるジョン・ジャック・ボーグル氏や世界最大のヘッジファンドを率いるレイ・ダリオ氏の生に近い声は中々触れられるものではありません。
インタビューを紹介するだけならまだしも、レイ・ダリオ氏に一般人向けの具体的なポートフォリオまで聞き出してしまっている時点で個人的に本書は投資家において「買い」と判断できます。
ページ数もkindleにおいて「4412ページ」の超大作で、読み応えは抜群です。
著者の語り口がやや独特で断定的(笑)な点を上手くいなしながら読めば、きっと未来に向けて有益な情報になるでしょう。
本書のリード文は下記からはじまります。この文章だけでもゾクっとさせられたのはあいろんだけではないはずです。
未来にはいろいろな呼び方がある。弱者にとって、それは達成不可能。臆病者にとって、それは未知。剛担なものにとって、それは理想
「世界のエリート投資家は何を考えているのか」
著者アンソニー・ロビンズ
三笠書房 発売日 2017/10/18
マネーゲームに勝つための原則
まずはじめに筆者は下記のような「旧式モデル」はオワコンだと主張します。
大学進学→就職→昇進もしくは大企業への転職→自社株に投資→悠々自適なセカンドライフ
その上で、「投資」の重要性を説きつつ、下記など論外だと一刀両断します。
ここまでは正直「そうですね」としか言えないよくある展開ですが、ここからが著者の本領発揮です。
「金融業界で最も優秀かつ影響力のある50人をインタビューした」
例として挙げてみます。
正直、最初に見た時ドン引きしたレベルのビッグネームです(笑)
各界の最強メンバーからさぞかし必殺技のような運用手法を聞くのかと思いきや、意外にも本書は冷静に投資の原則を説きます。早速具体的な内容について見ていきましょう。

おかねの守り方、増やし方
「誰にでもわかるシンプルな用語を使うことは、利益にならない。専門用語は、消費者の無知につけこんだ金融機関が手数料をかすめとるための方便に過ぎない」
レイ・ダリオのインタビュー時の言葉として、下記が紹介されています。
「株式市場を負かすと思ってはダメだ。株式投資は、世界最強のプレイヤーを集めたポーカー・ゲームのようなものだ」
世界最大のヘッジファンドのトップをしても、理屈が通じない摩訶不思議な世界だと言うことです。
レイ・ダリオをして難解だと言わしめた世界で「生き残る」ためにはまず「必勝のポートフォリオ」より「金融の基礎の理解」が欠かせません。
本書では基礎的な話が続きます。
例えば、「適切な投資」です。
米国の宝くじの平均所要額は、1,000ドルだそうです。これではお金は貯まりません。
ちなみに、宝くじは日本でも「一攫千金」のイメージがありますが、1回のギャンブルとしてはもっとも胴元の徴収率が高いことでも有名です。
100円の宝くじは、徴収率52%のため48円の価値しかないというデータもあります。
このあたり興味がある方は「知ってそうで知らなかったほんとうの株のしくみ」という書籍に詳しく書いてあります。ギャンブルにおけるリスクがわかりやすく理解できるのでおすすめです。
続いて、「複利と積立」です。
もう聞き飽きたよと言う方でも、背筋が伸びること請け合いです。
なぜなら著者が本内容についてインタビューしているのは「ウォール街のランダム・ウォーカー」著者でインデックスファンドの概念を発展させたバートン・マルキール氏だからです(笑)
同じような話でも、マルキール氏の言葉が載っていると信憑性がまるで変わるのが不思議なところです(笑)
マルキール氏が述べている双子の話は衝撃的です。
詳細は本書に譲りますが、「積立期間よりはじめる時期が早い方が複利の効果は大きい」といった内容になっています。
こうして、「おかねの働かせ方」について十分説明をしたうえで、何%を強制貯蓄するか、手数料がいかに大切かという投資本の節約セオリーの形へ話は移行します。具体的には下記のような話です。
シェフが自作料理を食べないのは、「材料の質が悪い」か「都合のよくないことを知っている」のいずれか。ファンドマネージャーも同じ。
そのうえで筆者の主張する重要なテーマである下記内容へ続きます。
「結果を出す1番手っ取り早い方法は、すでに目標を達成した上、その成功を長く維持している人を見つけ、その行動をマネすることだと信じている」
何を、どれだけ、いつ売買するか
徹底的に基礎的な考え方を半分ほど読み進めると、いよいよ本書のメインテーマである「個人投資家が経済的自由実現のための重要な要因」に行き着きます。
その際、著名機関投資家のデイビッド・スウェンセン氏は下記の通り語ります。
- 株の選択
- マーケットのタイミング(短期市場動向)
- 資産配分(分散投資、長期目線)
そして、この中で最も必要なのは③の「資産配分」であるとも述べます。
具体的には、下記のような対策が必要です。
また、本項ではメンタル面についても触れられています。下記2点は幸福度とも直結するため、常に意識しておきたいポイントです。
- 自分の人生を豊かにするのは、お金のかからないものが多い
- 愛する人、喜び、チャンス、健康、友人と家族に囲まれた自分がいかにラッキーかを再認識してもらいたい
想定外の事態に負けない「黄金のポートフォリオ」について
本書も8割を終え、普通の書籍であればまとめに突入するようなタイミングでようやく本題です(笑)
レイ・ダリオ氏の黄金のポートフォリオ通称「オール・ウェザー・ポートフォリオ」または「オールシーズンズ戦略」は株式市場が50%下落した時でも、3.93%しか下落しなかったという伝説のポートフォリオです。
前章でも出てきましたが、一般投資家が成功するためには「資産配分」が最も重要です。
資産配分の考え方において非常に重要な下記2点を、レイ・ダリオ氏は教えてくれます。
あいろんも個人的に本書で1番衝撃を受けた考え方は債券の組み入れ方です。
株式50%、債券50%の資産配分だと、実際のリスクは「株式95%、債券5%」になるということです。これは覚えておいて損のない考え方です。特にバランス型の投資信託を所有している場合は必ず割合も含めてチェックをおすすめします。
本書で紹介されている「黄金のポートフォリオ」は株式30%、債券55%、その他15%の割合です。
株式30%、債券55%、その他15%
考え方や詳細については本書に譲りますが、この内容と解説だけで「買い」だと主張する筆者もあながち間違ってはいないとあいろんは考えます。
本書では、今をときめく投資家の重要指標「S&P500」と「黄金のポートフォリオ」を75年間にわたって比較します。あくまでバックデータにはなりますが、投資家の方であれば面白く読めると考えます。
ラップアップ
今回は投資家向けの良書「世界のエリート投資家は何を考えているのか」から大事な部分を抜粋しました。
正直かなり割愛しましたが、このボリューム感です(笑)好きな人にはたまらない内容なので是非ご一読あれ。
最後に一言。
書籍とはいえ金融業界トップランナーたちの語り言葉で訳されているので、非常に臨場感があってただの投資解説本とは一線を画します。
それではまた!