ねぇねぇ、パパは投資信託とETFだったらどっち派?
そるとちゃん、中々切れ味鋭い質問だね(笑)
インデックスファンドの購入は投資信託をメインにしているけど、ETFにも良い部分はたくさんあるんだよねぇ。
パパは併用しているよ。
そうだよねぇ、経費率が低かったりとか売買の流動性が高いのはETFの大きなメリットだよね~。
(知ってて聞いてきたのか…恐ろしい子)
こんにちは!ETFの奥深さやコストパフォーマンスに最近魅了されはじめているあいろんです。
今回はわかりそうで良くわからない「ETF」についてのETF説明書籍で群を抜いてわかりやすい「ETFはこの7本を買いなさい」の要点を用いながら解説していきます。
この記事はこんな方に向けて書いています。
結論としては、下記になります。
それでは早速いってみましょう!
「ETFはこの7本を買いなさい」がETF系の書籍でおすすめできる3つの理由
本記事にたどり着いてくれているあなたは、「ETFに興味がある」状態で何か参考になる情報を求めているでしょう。
あいろんはETFの理解を深めたければ「ETFはこの7本を買いなさい」を読むことが最善だと考えています。
昨今、資産形成の一角としてETFを所有することは全く難しいことではなくなりました。
証券会社に口座を開設して
簡単にポチポチしていくだけで
誰でも世界中の優良ETFが購入できます。
そんなETFの関連書籍は探せばたくさんありますが、個人投資家は書籍に下記の情報を求めています。
- 内容の濃さ
- わかりやすさ
- 具体性(銘柄の提示がある)
上記全ての要素を満たしてくれているのが朝倉氏(モーニングスター代表)の著書「ETFはこの7本を買いなさい」なのです。
2017年6月に初版が発行され長らく人気を博していた本書ですが、2022年2月より内容をリニューアルした「改訂新版」が発売されています。
初版発行以来、世界情勢は目まぐるしく変化しています。
- コロナウイルスの出現
- ロシアによるウクライナへの軍事攻撃
- 大幅な円安(2017年6月:110円だったドル円は2022年4月:125円を突破)
著者が情報をアップデートしてまとめ直してくれているので、前回の書籍を読んでいても再度買い直して読みたくなる内容です。
金融商品の括りでは比較的あたらしい「ETF」は、現在でこそ優良性が認知され関連書籍は毎月のように発刊されています。
しかしながら実態としては、本書を薄めたような内容が多いと感じます(笑)
本書ではETFの特徴を下記のように述べています。
- コストが安い
- 柔軟に売買できる
- 品揃えが豊富
- 特色のあるものが多い
また、本書を読むに従って下記の流れが自然とわかります。
- ETFを取り巻く環境
- ETFを用いたポートフォリオ戦略
- 具体的にどの銘柄をどの配分で入れるかシミュレーション
「どの銘柄が自分にとって投資対象となるETFなのか?」思考整理しながら読み進められる内容になっています。
インデックスファンドの意義
本書では具体的なETFの説明の前に、下記がわかりやすく学べる構成になっています。
- アクティブファンドからインデックスファンドへの歴史の移り変わり
- アクティブファンドとインデックスファンドの違い
- アクティブファンドからインデックスファンドへの歴史の移り変わり
1976年、バンガードグループより世界初の個人向けインデックスファンドが発売されました。
インデックスファンド発売当初は「臆病者の投資」として嘲笑されていたのも今は昔。
現代でインデックスファンドは投資において最適解の地位を築いています。
インデックスファンドへの資産流入の勢いは目覚ましく、2010年時点で米国で19%しかなかったシェアが2020年には40%にまで上昇をしています。
2017年の初版発行時に本書で予見していたトレンドは、より大きくうねりを上げていることが見て取れます。
また、アクティブトレーダーの象徴であるウォーレン・バフェット氏が「死後は資産の9割を米国系のインデックスファンドに投資するよう妻に伝えている」逸話はあまりにも有名です。
インデックスファンドを大幅に上回る「年平均22~23%」リターンを叩き出す稀有な投資家のバフェット氏でさえ、資産構築にあける再現性においてはインデックスファンドを何よりも信頼している証拠でしょう。
アクティブファンドとインデックスファンドの違い
アクティブとインデックスの違いとして大別すると、下記になります。
インデックスファンド
- 市場平均並みの投資収益を目指す
- 国内株式系商品の信託報酬平均0.57%
アクティブファンド
- 市場平均以上の投資収益を目指す
- 国内株式系商品の信託報酬平均1.56%
- 過去10年間で、7~8割のアクティブファンドはインデックスファンドに負けているデータがある
アクティブファンドは旬なテーマや優秀なファンドマネージャーがあの手この手で収益をあげる手段を考え、実行します。
それでも7〜8割は市場平均「並み」を目指すインデックスファンドに負けるのはなぜでしょう?
手数料の1%差は致命的である
投信には「販売手数料」と「信託報酬」の主なコストがありますが、手数料1%の差は致命的です。
例をあげてみます。
※1,000万円投資、30年間運用、運用利回り3.5%の場合
- 信託報酬0.5%…2,427万円
- 信託報酬1.5%…1,811万円
616万円の差で、利回りとしては34%の差がつきます。1%の手数料差でここまでの大きな話になります。
本書には「ここが理解出来ないとETFの本質的なすごさが理解できないよね」という著者の気概を感じるほど、丁寧な解説が光ります(笑)
2022年現在、投資における最適解として有識者はすべからく「インデックスファンド」をすすめますが、それなりに理由があるということです。
海外ETFについて
アクティブとインデックスの基本を抑えたところで、ETFの説明に入っていきます。
ETF(Exchange Traded Fund)日本語で「上場投資信託」と呼ばれます。
ETFと投資信託の違いについての一般論は、下記の通りです。
ETF
- 上場している投資信託である
- インデックスファンドが大半
- 株式同様、取引時間ならいつでも売買できる
- 販売会社が存在せず、信託報酬が低い
- 株式ETFだけでなく、多種多様な種類がある
- 分配金再投資は自分で行う必要あり
投資信託
- 単なる投資信託という時は、非上場を指すことが一般的
- 投資信託は約6,000本
- 投資信託の値段は1日に1回決まる
- ETFに比べると信託報酬が割高なことが多い
- 分配金の再投資ができるので複利を活かしやすい
運用スタイル
上記のような特徴を鑑み、本書でも下記のような運用スタイルを取れると述べています。
- ETFだけでコア、サテライト両方を運用
- 非上場のインデックスファンドを「コア資産」にしてETFで「サテライト」運用してリターン増を狙う
サテライトETF手法に関しては、下記記事でも取り上げています。
個別株に比べて初心者が取り組みやすいサテライトで経費率も低い優良商品が多く、おすすめです。
また、ETFは「まとまった投資」に向くため、小口投資の場合は非上場のインデックスファンドの方が優れているという意見にも説得力があります。
本書でも繰り返し述べられていますが、ETFの利点は「低水準な信託報酬」「株式のようにリアルタイム取引や指値もできる機動性」の2点に集約されます。
その中でも特に経費率が低く分散が効いている「海外ETF」に投資することを筆者はすすめています。
海外ETFはコスト競争が激しく、純資産残高が増えると信託報酬を引き下げることが多いです。
一例としてバンガード社の「VT」はETF一本で全世界株式をカバー出来ることで有名です。
このVTですが、以下のように信託報酬を引き下げています。
- 2014年・・・0.17%
- 2015年・・・0.14%
- 2016年・・・0.11%
そして現在は「0.08%」まで信託報酬が引き下がっています。
前述の通り、信託報酬は長期で見た時のリターンの差に大きく影響を与えるのでこの低水準は個人投資家にとってはめちゃくちゃありがたい。なんぼ低くても良いんです。
ETFを取り巻く外部環境
第三章では「米国個人投資家がなぜこぞってETFを購入しているか」を取り上げています。
興味深いのは、下記のアンケート結果です。
※米国人投資家ETF購入理由より抜粋
- 低コスト(40%)
- セクターへの直接投資(30%)
- 日中取引(26%)
米国投資家に「なんでETFを選んだの?」と聞いたら「コストが安いからに決まってるじゃん」と返される可能性が4割あるということですね(笑)
そんなETFは、2022年現在においても3社寡占状態が続いています。
- iシェアーズブランドの「ブラックロック」
- インデックスの生みの親、ジョン・ジャック・ボーグル率いる「バンガード」
- スパイダーブランドが有名な「ステイト・ストリート」
ETFはこの上位3社だけで8割を占めています。ETFを購入する際に必ず関わる3社なので存在だけでもしっかり覚えておくと良いでしょう。
またETFの1つの特徴して特定業種や特定地域への投資を容易に行えること、取引に柔軟性がある事がメリットに感じている点もあげられます。特に運用に少し慣れてきた人がポートフォリオの微修正をかけたい時には非常に有効な手段となり得ます。
セクター別ETFの使い方一例(AmazonやTeslaへの投資を使いたい場合)
セクター別ETFの使い道として一例を紹介します。
一般消費財セクター集中型のETFであるバンガード・米国一般消費財・サービス・セクターETF(ティッカー:VCR)を見てみましょう。
個人投資家なら一般消費財セクターに分類されているAmazon(ティッカー:AMZN)やTesla(ティッカー:TSLA)への投資を検討した事がある方も多いでしょう。
あいろんもご多聞に漏れず上記2銘柄に興味があるのですが、「Amazonは一株で30万円を超えるので手を出しづらい」「Teslaは値動きが激しすぎて個別で買うのが怖い」とも考えていました。
そんな時に便利なのが「セクターETF」の中で一般消費財セクター304銘柄に投資しているVCRです。
VCRの構成割合TOP2であるAmazon、Teslaの構成割合は2022年4月執筆現在、下記の通りです。
- Amazon 22.88%
- TSLA 13.36%
3位以降はホームデポ、マクドナルド、ナイキ、ロウズ、スターバックス…と続いていきます。
上記のようにセクター別ETFを使う事で、簡単に投資対象への比率を高められます。これはサテライト的な使い方としてとてもおすすめできます。
ETF購入前のチェックポイント
さて、ここまでの前半3章では歴史や概要などについての解説がメインでした。
ようやく第4章からは具体的なETFの購入に入っていきます。
とはいっても、まだまだ購入には至りません。第4章は購入前の確認や自分の目標を決めるフェーズです(笑)
本書では、下記の通り定義しています。
- スタンダード運用タイプ…利回り5%
- 積極運用タイプ…利回り5%以上
いずれにしてもETFを数本組み合わせれば10年利回りは6%程度になるデータを紹介されていますが、あいろん的にも違和感ない内容です。
ただし、本書でも述べられている通り「長期的」目線での内容なので、短期でETFを使って利ザヤを取りたい手法とは全く異なります。
ETFはこの7本を買いなさい
ようやく第5章で辿り着くのが、本書のタイトルにもなっている「ETFはこの7本を買いなさい」です。
正直、最初は「結論を引っ張りすぎだろ」と思いましたが(笑)よくよく何回も読み返すと、しっかり理解を深めてから具体的なETFを通じて「自分流のポートフォリオがカスタマイズできる」というETFの利点を伝えようとしてくれている、著者の意図を感じられます。
個人投資家にとって良いETFについては再三述べられていますが、下記が基準です。
詳細については本書に譲りますが、厳選7本に入っている中で実際あいろんが実際に購入している3本を例に挙げて紹介します。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
- ティッカー:VT
- 運用会社:バンガード
- 信託報酬:0.08%
世界全体の株式時価総額の98%以上を1本でカバーする「全世界株式型」ETF。
47カ国8,000銘柄に投資出来るので、投資に興味はないけど何か運用したいと言われたら「とりあえずVT買っとけ」と言えるほど、完成されたETFです。本書においても中心的に使用されるETFです。
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
- ティッカー:VTI
- 運用会社:バンガード
- 信託報酬:0.03%
2017年時点では厳選7本から漏れて後述する「その他の13本」扱いだったVTIですが、今回の新版では晴れて「この7本を買いなさい」に格上げされました。
VTが全世界への投資なら、VTIは全米約4000銘柄へ投資できる「全米株式」として世界的にも非常に有名です。
VTIについては過去紹介した「ジェイソン流お金の増やし方」や「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」など数々の良書でも投資先のメインとして推奨がされています。]
バンガード・米国トータル債券市場ETF
- ティッカー:BND
- 運用会社:バンガード
- 信託報酬:0.035%
「株式ほどリスクを引き受けたくないでも手堅く利回りは取りたい」
こんな時に投資候補筆頭に上がるのは「債券」ですが、中でも米国適格投資債券を対象としており、7割以上をAAA格(優良債券)が占めているBNDが債券ETFの中でもトップクラスの優良商品として今回ランクインしています。
因みに2017年版での米国債券ETF枠はブロックロック社の「AGG」でしたが、今回の新版ではバンガード社の「BND」に変更がされています。
AGGもAAA格は7割以上を占めており約6,000銘柄への分散投資、信託報酬の低さも0.05%と申し分なしです。
しかしながらBNDの約1万8000銘柄への分散投資、信託報酬の低さも0.35%とそれぞれAGGを上回っている点から新版で変更されたとあいろんは推測しています。
VTIの際もご紹介した、名著「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」においては投資先はVTI、BNDの2つのみで良いと断言されていたす。
まさに本書で紹介されている2つのETFを組み合わせるだけのポートフォリオを著者が最愛の娘にすすめているという点からも素晴らしいETFであることが伺えます。
本書内厳選7本ETFは「組み合わせることで低コストでポートフォリオを組むことができる」利点があります。
7本全て購入しなくても、「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」で紹介されたVTI+BNDの運用や、厚切りジェイソン氏の「VTI一択運用」のようにビビッときたものを数本買うだけでもかなりタメになるのでおすすめです。
本書内ではかなり細かい「7本を組み合わせたシミュレーション」がポートフォリオ別に記載されています。
こだわりたい人に向けたETF13本
個人的には本書内で1番面白いのは第6章「もっとこだわりたい人へ一歩進んだETFの活用法」だと思っています。
前述のVTやBNDはコア資産として低コスト、分散が効いている優良商品であることに疑いの余地はありません。
しかしながら、厳選7本は「サテライト資産」向きかと言われると疑問が残る点もあるのは事実です。
そういう意味では、本書で取り上げられている13銘柄はサテライト向きのパンチが効いているものも含まれています。
また、2017年時点からだいぶ銘柄も入れ替わっているので一見の価値は十分あります。
13銘柄にランクインされている中で情報技術セクターETFの「VGT」やハイテク銘柄への投資比率が高い「QQQ」などはサテライト投資銘柄として非常に優秀で投資対象となり得るでしょう。
また、債券に関しては安全度が高いBNDに比べるとは安全度が低い代わりに配当利回りが高いステート・ストリート社の「JNK」などが含まれています。
上記のように本書は最初に明示される7銘柄で「原理原則や王道」を押さえつつ、その後の13銘柄から「自分なりのスパイスを加えてカスタマイズを図る」という構成になっています。
正直、この20銘柄の紹介を読むためだけでも十分面白い内容になっています。
ラップアップ
今回は「ETF」について「ETFはこの7本を買いなさい」の要点を用いながら解説していきました。
本書紹介の20銘柄を中心に、自分なりのポートフォリオを組んでいきましょう!
最後に一言。
パパは良く独り言でアルファベット3文字をぶつぶつ言っている時があります…
それではまた!