書評

【定額取り崩しは危険】つみたて投資で間違いがちな失敗例3選

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そると

パパ、またつみたて投資の本を読んでいるの?

もう何冊も読んでるじゃん。

あいろん

それがこの本は切り口が面白いんだよ。

「つみたて投資の終わり方」という本で、文字通り増やし方じゃなくて使い方にフォーカスしてるんだよ。

そると

たしかに、「資産の増やし方」みたいな本はたくさんあるけど最後の取り崩し方はあまり誰も紹介していなかったもんね。

面白そう!早速紹介しなさい!

こんにちは!資産の取り崩しをするのは、早くても50歳くらいからになりそうかなぁと思案しているあいろんです。

今回は「つみたて投資の終わり方」について役立つ考え方と失敗例を紹介します。

この記事はこんな方に向けて書いています。

  • 「資産形成期」の先にある「資産を使う」ステージを知識として蓄えておきたい
  • 漠然とつみたて投資をしているので、いずれ来るつみたて投資の終わりについて勉強したい
  • 老後の生活についてイメージしておきたい

結論としては、下記になります。

  • 「資産を積む」(上り)と「資産を取り崩す」(下り)では使う力や考え方が全く異なる
  • 定率取り崩しはNG。定額取り崩しにすべし
  • ファンド売却益の税金は「必要経費」と割り切る
  • 取り崩し期は「リスク資産のスリム化」が重要

それでは早速いってみましょう!

今回の参考書籍:「つみたて投資の終わり方」

「資産を増やすプロセス(上り)より、積み上がった資産を売却し、それを使っていく道のり(下り)のほうがはるかに困難である」

上記は前書きで著者の投資信託クリニック代表のカン・チュンド氏が述べている言葉です。

上記を読んで、あいろんは投資の世界を知った気になっていた自分の浅はかさを省みました。

本書ではかなり具体的で再現方法の高い資産運用方法を取り入れて紹介してくれます。

本書で取り上げている一例

「資産管理のシンプル化」「定率での取り崩し」「5年かけて投資の保守化」「取り崩し率は3%」

非常に参考になる本書を読み進める中で、つみたて投資を行う中で間違いがちな点に気が付きました。

下記にて紹介していきます。

つみたて投資で間違いがちな失敗例3選

つみたて投資で間違いがちな失敗例3選
  1. 定額で取り崩しをする
  2. 税の支払いに対して効率を求めすぎる
  3. 効率的なポートフォリオを考えすぎる

①定額で取り崩しをする

まずは本書の骨子とも言える「資産の取り崩し方」について、著者は強く「定額取り崩し」に反対しています。

×定額で取り崩す

例:月に20万円

◯定率で取り崩す

例:月に3%

上りではドルコスト平均の恩恵を最大限享受できる「定額」が優れた手法でしたが、下りにおいては「定率」を用いて資産の持続率を優先しないといけないという考え方の変換を出来るかが非常に重要だと筆者は説きます。

また、市場が大きく下落する時は資産の持続率を高めるためにファンドの引き落としをゼロにし、預金からの引き出しのみとする柔軟性も求められると主張しています。

そると

資産を使うプロセス(下り)の方が少し考えることが多そうだね。

あいろん

まさにその通りだね。

インデックスファンドを定額積立するだけで良かった資産形成期(上り)よりもアクティブ要素が強いかも。

ただ個人的には定率の取り崩しは大賛成だな。「資産の持続率」に重きを置いている点は共感できる。

②税の支払いに対して効率を求めすぎる

本書には下記のような言葉が紹介されています。

「お金の増やし方は普遍的。お金の使い方は個別的」

「お金を増やすことに長けた人は、それを続ける方が(お金を使うことより)楽」

本書では例として88歳で8,800万円の資産を築いた人は素晴らしい一方で、出来るはずだった経験(思い出)の未購入額が8,800万円あると捉えることもできると述べています。

あいろん

うぅ…心当たりがありすぎる…こうなりそう…

そると

パパ落ち着いて。お金の使い方も勉強しようね。

そるとにオモチャいっぱい買ってね。

あいろん

考え方としては「DIE WITH ZERO」と近い考え方だね。

死ぬ時に1番お金持ちでも意味はない、と。

そんな中でリスク資産の乗り換えや比率引き下げに際して「既存ファンドへの売却益課税」についても本書は言及しています。

前提として、税の支払いは明らかなマイナスリターンです。

しかしながら本書は「上り」と「下り」をつなぐXデー(退職日)をマラソンの中継地点と捉えている描写があります。

マラソンの途中で水分補給やユニフォームの着替えをすれば、タイムは遅れます。しかしそれは、自身のペースで後半に走り抜くためには必要な備えであると本書は主張しています。

特に「上り」が得意な人ほど税効率やトータルリターンを考えがちです。しかしながら時には効率化を求めず、マイペースで進める胆力も必要だという点は非常に参考になります。

あいろん嫁

パパみたいに資産を積み上げられる人ほど、ファンドの売却が苦手なのは結構盲点でした。

ここについてはママの出番かもしれません(笑)

③効率的なポートフォリオを考えすぎる

本書ではリスクファンドを老後にスリム化して、具体的には一本化することを推奨しています。

具体的には「eMaxis Slim全世界株式(オール・カントリー)」やバランスファンドへの一本化を推奨しています。

eMaxis Slim全世界株式
  • 運用管理費用→0.1144%(税込)
  • 先進国23ヵ国+後進国24ヵ国の47ヵ国株式を網羅

※2022年7月時点

そると

オール・カントリーは通称「オルカン」と呼ばれ、低廉なコストで全世界に分散投資が図れるインデックスファンドの雄です!

前述の通り、「効率」にとらわれて効率を求めることだけが必ずしも最善とは限らないことを本書は教えてくれます。

ファンドの一本化は、下記のようなメリットをもたらしてくれます。

  • 資産管理がシンプルになる
  • リバランスがしやすくなる
  • 判断ミスが少なくなる

2022年現在、インデックスファンドは10年前と比較して驚くほど低コストで良質な商品がラインナップされています。

ポートフォリオをオリジナルでカスタマイズして最安を考えたり、個別株で遊びを取り入れるのは非常に面白いです。事実、あいろんも現状はそうしています。

しかし、リタイアメントという穏やかな時間の中でやるべきことはシンプルです。

  • 年末に総資産を算出し、取り崩し額を決定する
  • 年始にリバランスを兼ねて取り崩す
あいろん

ガチャガチャ色んなこと考えずに、シンプル化した方が良いんだね。

Xデーが近づいたらパパもそうします。

そると

パパの死後もわたしたちがパパの資産を把握しやすいというメリットもあるね♪

ラップアップ

今回は「つみたて投資の終わり方」について役立つ考え方と失敗例を紹介しました。

「資産の取り崩し」についてここまで具体的な書籍は中々なかったので非常に面白かったです。

最後に一言。

あいろん

知識は身を助ける。

私のような資産形成期の人間でも知っておいた方が良い内容だと感じました。

それではまた!

ABOUT ME
あいろん
30代半ばのサラリーマン。 大学卒業後、中堅メーカーに就職。 現在は、大手IT系企業に勤務。 プライベートでは1児の父。 娘のそるとちゃんを溺愛しています。 仕事・投資・その他マネーハック的な記事含め書いています。 FIREは目指していますが、働くのが苦でない系サラリーマンです。
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