パパ、誰と電話で話していたの?
パパの先輩から、資産形成の相談に乗って欲しいと言われたんだよ。
40代独身だからパパとは若干状況が違うんだよね。
うまくアドバイスできるかな…
パパ、それならこれを読んでから行きなさい!
「40代から始める攻めと守りの資産形成」人生GDPの考え方など参考になるよ!
ありがとう、助かったよ。
(そるとちゃんはどこでこの本の存在を知ったのだろうか…)
こんにちは!書籍のタイトルに「40代」と入っていると反応してしまうようになった、30代のあいろんです。
今回は「40代からの資産形成」についての考え方を記事にしていきます。
この記事はこんな方に向けて書いています。
結論としては、下記になります。
- 労働は最大の収入源である
- 現金も「投資の一部」である
- 老後のゆとりある生活費は「36万」「25万」
それでは早速いってみましょう!
今回の参考書籍:「40代から始める攻めと守りの資産形成」
本書は冒頭で資産形成に関わる「11の都市伝説」について◯×形式で回答してくれています。
- 高リスクには高リターンがつきもの
- 短期投資と長期投資は投資期間が違うだけ
- 投資を始めたら、こまめなチェックが欠かせない
- リバランス時は売買が必須
- 実際のリスクが想定より低いのはよいことだ
- 手数料の高い投資信託はリターンも高い
- 投資信託のコストは販売手数料や信託報酬をチェックすればOK
- つみたて投資は一括投資よりも有利
- 株価が上がるかわからない
- 株式投資ではROEの高い銘柄を選ぶ
- 預貯金はあるが、資産運用の経験はない
筆者は上記の11項目について全てに×をつけています。
そしてそれこそが本書の主張内容とリンクしてきます。
上記に興味が出れば、本書は勉強になる内容でしょう。
これは40代に限らず、読んでみたくなる内容だね…!
本書は「老後」や「将来のお金」に漠然と不安を持っているが、まだ実感もしきれない40代向けに上記の都市伝説を論破していく内容となっています。
後述する「ポートフォリオ例」のように具体的なケースも載っていますので、気になる人は読んでみると良いでしょう。
30代の私が読んでも非常にためになる内容が多かったです。
むしろ早めに読むことで一括投資の破壊力が増してくるなどメリットの方が多い印象です。
独身や家族ありなど様々なケース別のお金事情がまとめられているのもGOODなポイントです♪
人生の総収入「人生GDP」の考え方
「結局のところ、お金の問題は人生の総収入で考えないと意味がない」
上記が、本書で最も特徴的な考え方です。
本書では人生の総収入を「人生GDP」と謳い、幾度となく登場します。
人生GDPは下記2通りで表せます。
- 人生GDP=生涯の総収入額
- 人生GDP=生涯の総支出額+死亡時の保有資産額
「人生の総収入で考える」は方向性が見えて来た40代だからこその考え方で、目からうろこだったな。
確かにパパは今の収入と10年前では全く違うし、10年後も退職するのかしないのかでだいぶ状況が変わるもんね。
本書では「総収入とはあなたが生み出した付加価値の合計」と説いています。
労働は最大の収入源
前述の通り、豊かな人生のために総収入を増やす必要性があります。
そんな時、大半の人間にとって「労働は最大の収入源」であることを忘れてはいけません。
- 生涯の平均年収が500万円の人・・・2〜2.5億円
- 生涯の平均年収が800万円の人・・・3.2〜4億円
- 一般的な人間が資産運用で得られるお金・・・多くても数千万円程度
上記より、本書では「よりよい条件で少しでも長く働き続ける」ことを重要視しています。そしてそのための方法はたくさんあることも説明しています。
よりよい条件で長く働き続ける一例
- 社内で出世する
- 総合的な環境で判断の上、転職する
「労働は最大の収入源」は当たり前のようで、かなり大事な考え方です。
かの名著『バビロンの大富豪』でも「自分こそを最大の資本にせよ」と言っています。
FIRE(経済的自立/早期退職)が株高の2020年ごろブームになったけど、ちゃんと労働と資本について理解しておかないと後々大変なことになっちゃうよね…
預貯金は付加価値ゼロ
本書では、考え方として「預金も投資の一部」と解説されています。
1980年代までの預金金利5%など今後期待できるわけもありません。現預金は何も生み出さない(人生GDPを増やしてくれない)わけです。
本書では預貯金は「元本保証で金利ゼロの金融商品」と同等だと説いています。
しかし、2023年現在で預貯金の価値が目減りしていることは誰でも明らかでしょう。預貯金はインフレに弱く、実質価値は実は増減しています。
私も本書の考え方には深く共感します。
1980年代だったら預貯金の金利で十分だと思っていたでしょう。
パパは投資において「機会損失」を重要視しているので現金比率は少なめで、株式を多く持っているんだよね。
リスクは「正しく恐れる」
「リスクとはリターンの不安定さである」
本書は投資の具体的な話に入る前に、リスクについてかなり丁寧に説明しています。
リスクとはリターンの不安定さ…?
良くわからないなぁ。
たしかにちょっと難しいよね(笑)
まとめると下記のような感じだよ。
- リスクとは「損失」だけの考え方ではない
- リスクとは「リターンの変動率」でもある
- リスクは「標準偏差」というモノサシをもとに予測できる
1年間のリターンは約95%の確率で+45%〜−35%に収まる
「米国株や全世界株の長期投資はプラスになる可能性が高い」と言って投資している人が多いのは、標準偏差に基づいて確率論で言っているのね。
そうだね。
基本的には短期投資は±が合計で0になる「ゼロサムゲーム」なので必ず人によって勝ち負けが分かれるんだけど、世界経済の成長を長期で享受する長期株式投資は「プラスサムゲーム」と呼ばれて全員がプラスで終われる可能性が高いと言われているよ。
上記のように、リスクとリターンはある程度事前に予測できるのでリスクは「正しく恐れる」ことが非常に重要だと本書は主張しています。
最適ポートフォリオ具体例
期待リターン「3.6%」「5.1%」「6%」
上記のような理論上の考え方を参考に、本書では「最適ポートフォリオ」の具体例を紹介してくれています。
最適ポートフォリオとは「あるリスク水準においてリターンが最も高い組み合わせ」を指します。
本書では複数パターンが紹介されていますが、一例として期待リターンが「3.6%」「5.1%」「6%」を挙げてみます。
期待リターン3.6%の場合
内訳
- 国内債券23%
- 国内株式20%
- 外国債券23%
- 外国株式30%
- J-REIT4%
期待リターン5.1%の場合
内訳
- 国内株式26%
- 外国債券15%
- 外国株式53%
- J-REIT5%
期待リターン6%の場合
内訳
- 外国株式100%
パパは期待リターンを5-6%程度で想定しているので、債券を持たずに株式にフルインベストメントしているんだね。
理にかなっているんだね。
そうだね。
ただその代わりに15-19%のリスクを背負わないといけないわけだから、年齢を重ねると共に少しリスクは落とすかもしれないよ。
最適ポートフォリオ構築の際の重要な考え方は、下記3点になります。
- リスク水準を決める
- 目標リスクと期待リターンを把握する
- 大事なことは「お金をどこに置くか」
①リスク水準を決める
前述の通り、リターンを得るにはリスクを背負わなければ行けません。では、リスクは低ければ低いほど良いのでしょうか?
答えは「NO」です。
前述の自分の「目標リスク」を認識できていれば、リバランスは適切に行うことができます。
目標リスク15%を許容した投資家のリスクが目標より低いリスクしか持たないポートフォリオを組んだ場合、「リスク負担能力を活かしきれず、もっと高いリターンを得る機会を逃した」とも言えるわけだね。
なるほど!
リスクは低ければ良いってものでもないんだね。
言われてみれば確かにそうかも。
②目標リスクと期待リターンを把握する
「リスク水準」さえ把握できれば、後は目標リスクと期待リターンを設定するだけです。
さほど難しいことではありません。
迷った時は、本書のポートフォリオ例を参考にすれば良いでしょう。
私はリターンを長期的に出来る限り大きく取りたいので、リスクを19%背負うのは特に気にならないタイプです。
パパみたいな人ばかりではないと思うし、私は実際10%のリスク取るだけで精一杯です。
自分のリスク許容度に合わせて選ぶのが大切なんだね。
③大事なことは「お金をどこに置くか」
前述の通り、本書は「預貯金は一種の金融商品」と考えています。
本書で定義している「守りの投資」は最低限物価上昇率に負けないことを前提にしています。
そして本書では、物価上昇率は概ね0.5%〜1%程度と想定しています。
ポートフォリオの10〜20%程度を株式投資信託にするだけで「物価上昇に対応」出来る考え方を記載していることは特に晩年において非常に参考になる考え方でしょう。
インフレ率を考慮する考え方は超重要です。
現金主義の人は実質価値が目減りするリスクを考慮出来ていないので、至極まっとうな考え方だと感じます。
実際、日本もどんどん値上げして昔は100円で買えていたものが今は150円とか200円になってるケースもあるもんね!
「新2000万円問題」への対応方法
- 「ゆとりある生活費」をベンチマークする
- 収入の試算をする
- 退職金を「守りの資産運用」で固める
本書は40代に向けて「年金だけでは最低限の生活しかできない」「退職金は10年程度で底をつく」という観点から、必要貯蓄額をケース別に紹介してくれています。
単身世帯、2人世帯に分けてくれているのでわかりやすいです。
早速みていきましょう。
①「ゆとりある生活費」をベンチマークする
「ゆとりある生活費」とは実際にアンケート結果から浮かび上がってきた「旅行やレジャー、趣味や子どもへの援助」も含む月額の支出のことです。
アンケートより老後生活を送る上での最低限日常生活費22万円より14万円ほど上がることがわかっています。
- 2人世帯(片働き)・・・36.1万円/月
- 単身世帯・・・25.3万円/月
②収入の試算をする
本書には厚生労働省試算の「将来世代の年金額」の記載があります。
上記より「夫婦2人(専業主婦片働き)」「単身」「フリーランス」など状況ごとに、年金のイメージをざっくり膨らませることが可能です。
例えば自分の場合は「2054年の年金受給」をベンチマークにすると、月に25.9万円の受給となります。
退職金は概ね2000万円くらいかな。
上記はパパが定年まで勤めてくれたらなので、早期退職をしたら状況は変わっていきます。
なんか「年金が減る」とか言われてるけど、こうやって改めて見ると結構もらえそうなんだね。
③退職金を「守りの資産運用」で固める
退職金は前述の「守りの資産運用」すなわち「物価上昇率に負けない程度の運用を本書はすすめています。
過度なリスクを取る運用ではなく、あくまで生活レベルを維持するための投資を行っていきましょう。
ラップアップ
今回は「40代からの資産形成」についての考え方を記事にしていきました。
本書を読んで、改めて40代は攻めだけではなく守りの資産形成も重要な年代だとよくわかりました。
きたるべき老後に備えてしっかりと準備していきましょう。
最後に一言。
「労働は最大の資本」これは胸に刻んで働き盛りの世代を楽しんでいきたいと思います。
それではまた!