パパ〜、「ネットワークビジネス」っていうのがいつの時代もあるみたいだけどパパはやらないの?
うーん、パパはやらないかな。
「社会資本」を犠牲にして収入を取りにいってるだけなんだよ。
幸福度の観点から考えて本質的にまったくおいしくないんだよね。
リスクしかないよ。
えー、そうなの!?
詳しく聞かせて〜。
こんにちは!過去に何度かアムウェイなどのネットワークビジネス勧誘を受けたことのあるあいろんです。
今回は、「マルチ商法」もといネットワークビジネス(MLM)について記事にしていきます。
この記事はこんな方に向けて書いています。
結論としては、下記になります。
それでは早速いってみましょう!
ネットワークビジネス(MLM)とは
パパ、そもそも「マルチ商法」とか「ネットワークビジネス」とか「マルチレベルマーケティング(MLM)」とか言葉の違いがよくわからないよ。
そうだよね。
言葉を難しくしてあえて混乱させている感があるよね。
その辺の違いをまずは明確にしておこうか。
まず前提として、下記の言葉はほぼ全て同じ意味となります。
最近は聞こえが1番良いからか、「ネットワークビジネス」と言われるのを良く耳にします。
ネットワークビジネスの勧誘をされる際、ほぼ必ずと言っていいほど主張されるのが「法律に抵触していない」という点です。
ネットワークビジネスはよくあるイメージとして「ネズミ講」と同義だと考えられがちですが、ネズミ講とはピラミッド型に連鎖が広がっていき、上位者が必ず儲かる「無限連鎖」を指すことが多いです。
そしてこのスキームは犯罪です。
ちゃんと製品を介在させて扱っているし、上位者が必ず儲かる仕組みではないのでマルチ商法=ネズミ講ではありませんよ!という言葉は、必ずと言って良いほどマルチ勧誘される際に誘い主は主張してくるよね。
実際に、法に則っていればネットワークビジネス自体は法的に問題ない(ことが多い)というのが現状です。
しかしながらネットワークビジネスはグレーゾーンが非常に多く、線引きが曖昧である事も特徴の一つです。
会員が新規会員を勧誘し、その会員がまた更に勧誘して新規会員を増やしていく…という販売形態がネットワークビジネスの基本なんだね。
会員は製品を流通させる「ディストリビューター」というポジションにつくのが一般的で、下記のような優位性を訴求してきます。
私は、本当に良い商品やサービスであればAppleやAmazonのようにイノベーションが起きると考えているので上記の理論に納得したことがありません。
結局、ネットワークビジネスの仕組みだと自分の権利収入が欲しいから売っているだけとも考えられちゃうもんね。
ネットワークビジネスの本質は「社会資本」の切り売り
そんなネットワークビジネスですが、問題になるケースとして下記が挙げられます。
私も勧誘がしつこかったり、友だちから急にお金の話されてショックだったりした経験があるなぁ。
ママ、実はネットワークビジネスの本質はそこなんだよね。
人脈をお金に変えるっていう考え方なんだよ。
橘玲氏の名著「幸福の資本論」において、幸福とは下記の3つから推し量れるとされています。
- 一言で言うと…「財産」
- 十分な財産
- 経済的独立
- お金持ち
- 一言で言うと…「働いてお金を稼ぐ能力」
- やりがいのある仕事
- 高収入の職業
- ホワイトな労働環境
- 一言で言うと…「家族や友だちのネットワーク」
- 信頼できる友だちの存在
- 円滑な人間関係
- 親戚や家族との関係性
上記より、橘玲氏は「幸福の土台」となる3つのインフラの1つに「社会資本」をあげているんだよ。
友だちって実はそれくらい重要な柱なんだよね。
なるほど。
パパはネットワークビジネスは「金融資産」「人的資本」が増える可能性が低い割に、「社会資本」はほぼ確実に減るから割が合わないって思っているということだね。
その通り!
ネットワークビジネスに関わらず、物事は俯瞰的に見た方が良いんだよ。
友だちを失うって、本当に大変なことなんだね。
勉強になるなぁ。
実際の勧誘例紹介
さて、ここからは私が実際に体験した経験談をあるあるポイントと共に紹介します。
あるあるポイント①
20代の時、大学時代の友人から急に連絡がありました。卒業後数年くらいで急に連絡来るパターンが多数報告されています。
私も25-26歳ころが勧誘が多かった記憶があります。
あるあるポイント②
「近況を知りたい」など、大して仲良くなかった友達から連絡がきがちです。
大学時代で例えるとゼミが一緒だったなど「名前を覚えてはいるけどそんな仲良かったっけな…?」くらいの関係性の人から急に連絡が来たらマルチを疑って間違いないです。
あるあるポイント③
飲みに行くのかと思いきや、昼時にカフェなどで話をするケースがありがちです。
当時は私も若く、あまり深く考えていませんでしたが25歳の若者が本当に相手の近況を知りたいのであればランチを選択するのは違和感ありありですね。
下記は、パパを誘ってきた勧誘ヤロウとパパの会話です。
実際の会話
~実際の会話~
最近なにやってんの?飯でも行かない?
あぁ、別に良いよ~。
パパはこの時上気づきませんでしたが、大して仲のよくなかった友達に誘うのがマルチ勧誘の常套手段です。
さて、世間知らずのパパは違和感を抱きながらも待ち合わせをして、渋谷のオシャレなカフェに到着しました。
以下が会話の流れです。
~会話の続き~
最近元気?
誰でも知っている大手の良い会社入ったらしいじゃん。
いやぁ、そんな良い会社でもないよ。
結構きついよ。
働くって大変だね~。
俺なんて最初に入ったA社、一年で辞めたよ。
へー、そうなんだ。
今何やってるの?
今はIT企業で自由に働きながら、自分でビジネスやってんのよ。
そろそろ会社勤めは週2か週3にしようかと思ってる。
金に全然困ってないからさ。
(若干怪しさを感じはじめながら)
すごいねー。
そんな稼いでるんだ。
なんでこんな稼げるのか、興味ない?
(だいぶダルいと思いながら)
勿体ぶらずに早く言えよ。
実はね…俺には「不労所得」があるんだよ。
ネットワークビジネスってわかる?
自分のラインより下(ダウン)が出来ると自分は何もしなくてもお金が入ってくるんだよ。
具体的には…ペラペラ
上記のような感じで意気揚々とネットワークビジネスのすごさについて紙に図を記載の上、30分ほど力説されました。
そして力説を重ねた勧誘ヤロウは、満を持して不労所得に次ぐ第2の「決まり文句」を放ちます。
俺の先輩でめちゃくちゃ稼いでる人いるから、今から会いに行かない?
でました!「稼いでいる先輩、もしくは憧れの人に会わせたがる」これもネットワークビジネスあるある話です。
しかしながら、その時のあいろんは直感的に下記のように考えました。
(こいつ面倒くさいな…でもこれは、後でネタになりそうな気配がする)
じゃあ、会ってみようかな。
そして連れて行かれたのは渋谷から程近い高級住宅エリア。超がつくほどの高級マンションに勧誘ヤロウの先輩は住んでいました。
見ず知らずの人の高級住宅にお邪魔するという、良くわからない緊張感に包まれながら入室。
出てきた勧誘ヤロウの先輩は、よく言うと成功者っぽい身なり。
悪く言うと成金ファッションという感じでした。
先輩の印象は以下の通りです。
物腰は柔らかく、勧誘ヤロウのようなガツガツ感が一切ない。
ガッツリ勧誘されるのかと身構えていたら、そんなことはありませんでした。
とりとめのない話を一通りして、良かったら今度イベントやるからおいでよ~と優しく言われました。
このあたりは成功者の余裕を感じました。
そして先輩の家を出て、勧誘ヤロウがまた話し始めます。
どう?すごいでしょ。
あんな感じで良い生活がすぐに出来るようになるんだよ、絶対おまえも入った方が良いよ!
あ、悪い。次の予定があるんだった。
それじゃ、また連絡ちょうだい!
これ、今日話した内容が入っているCD渡しとくから見といて。
こう言って慌ただしく勧誘ヤロウはその場から去っていきました。
貰ったCDは帰り道の渋谷駅に秒で捨てました。
勧誘ヤロウにはナイショです(笑)
ネットワークビジネスの末路
参考書籍:「ニューカルマ」
- 末路①社会資本の消失
- 末路②人的資本の消失
- 末路③金融資本の消失
参考書籍:「ニューカルマ」
結果的に私はネットワークビジネスに魅力を感じませんでした。
そんな私が危惧した様な顛末をわかりやすく小説で学べる書籍を紹介します。
パパ曰く「ニューカルマ」はネットワークビジネスにおいて最も怖い3つの末路を教えてくれるらしいよ。
末路①社会資本の消失
「ニューカルマ」内でネットワークビジネスにハマって抜け出せなくなる主人公は、元々は会社勤めのサラリーマンで友達や仲良くしている人が大勢いました。
それが、最終的には全員と縁が切れるレベルまで人間関係が崩壊します。
これは小説だから、大袈裟に書いているわけではありません。
ネットワークビジネスでは割とリアルに良くある話です。
パパを勧誘してきた大学の友達も、周囲から邪険に扱われてその後は消息がつかめてないんだよ。
ネットワークビジネスの1番のリスク。
それは紛れもなく「社会資本の消失」です。
友達や家族を勧誘せざるをえない状態でネットワークビジネスを始めると、それによる収入が霞むレベルで人間関係が壊れる可能性があります。
身内へのネットワークビジネスの勧誘は「絶対にしない方が良い」と私は考えます。
日本人は固定観念がとても強い国民性で「ネットワークビジネスに理解を示さない人間が大多数である」という認識は前提として強く持つべきだね。
「商品の良し悪し」「正しいか間違っているか」はさておき、ネットワークビジネスに欠如しがちなのは「物事の多様性を認める許容力」「相手がどう感じるかを慮る配慮の心」ということだね。
そるとちゃん、その通り!良いとか悪いじゃなくて「勧誘した時点で」信頼は壊れるんです。
簡単に。
末路②人的資本の消失
「ニューカルマ」において主人公は、いっときの成功に酔いしれてネットワークビジネスの仕事自体を生きがいとしていこうとする瞬間があります。
しかしながら、最終的には仕事も上手くいかず社会資本に続いて「人的資本」までも消失してしまいます。
人的資本=「仕事に対してのやりがいや高収入を目指すこと」は全く悪いと思いません。
ただ、問題は「確率」と「期間」です。
ネットワークビジネスには下記のような「あるある」が溢れています。
上記をSNSでこれでもかとアピールしている輩も少なくありません。
ただネットワークビジネスにおいての成功は「収入」だけにフォーカスされがちです。その成功確率の低さと、一発当てたとしてその地位を維持する難しさは他のビジネスの比ではありません。
一方で前述の通り、ほぼ確実に「社会資本」は消失するわけです。
私を勧誘してきた「勧誘ヤロウ」の末路も悲惨でした。
大学時代の人間は誰もが煙たがる存在になってしまいました。
そして唯一の心の拠り所であった(らしい)マルチ仲間の人間関係でもトラブルになり、仕事が続けられずに精神の病を抱えてしまったそうです。
末路③金融資産の消失
「ネットワークビジネスで人生豊かに」
上記のような人はごく一部存在するのでしょう。
ただ冷静に考えると、確率の低い事象でお金が入ってくることは往々にしてあるのです。
上記はあくまで確率の低いケースを切りとってフォーカスしているだけで、それにより金融資産を積み上げる再現性には至りません。
ニューカルマの主人公も、結局は積み上げた自分の「ランク」を維持するために消費者金融から150万円の借金をしてボロボロになってまでその座にしがみつこうとします。
「稼げる」どころか「借金してまで製品購入」の道をたどるケースも珍しくないのがネットワークビジネスの怖さです。
こんな状態では、金融資産が増えるどころじゃないね…
また、見逃せないのは「時間単価」です。
勧誘ヤロウは、何度も会話の中で「不労所得」という言葉を口にしていました。
私が好きな書籍「金持ち父さん貧乏父さん」を引用していて非常に不快でした。
なぜなら勧誘ヤロウは下記の様な状況だったからです。
勧誘ヤロウ自体が稼げているかどうかも含めて半信半疑でしたが、仮に稼ぎが良かったとしても不労所得とは程遠い状態でした。
私が説明を受けた日も土曜日だったと思いますが、別れた後も別の人間を勧誘しに行きました。
てっきり軽く飲みにでも行くのかと思ってたらそんなヒマは勧誘ヤロウにはなさそうでした(笑)
また、前述の成功してそうな先輩と勧誘ヤロウには前提が全く異なっていることも雑談から確認できました。
成功している先輩は、自営の商売を複数持っていたのです。
また、実家が超のつくほど有名な資産家だそうです。
おそらく先輩は金融資産に余裕があり、そこから商才を発揮。
ネットワークビジネスの核となる「信頼」を積んだ状態でスタートしていたから、成功した可能性が高いんだとパパは思っているそうだよ。
「そんなに力入れて仕事してない」感が逆に余裕を醸し出していましたが、その源は金融資産と自分の商売だったのねと妙に納得した記憶があります。
ラップアップ
今回は、ネットワークビジネス(MLM)について記事にしていきました。
個人的にはリスクの割にリターンが見合わないビジネスのだと思っています。
事前にリスクを把握しておきましょう。
最後に一言。
「社会資本」「人的資本」「金融資産」の3要素の考え方は超重要なので、しっかりおさえておきましょう。
それではまた!