パパ、新しい本を買ってきてからずっと読んでるけどそんなに面白いの?
うん、小説形式でお金の知識が学べてすごい面白いよ。
物語が面白いから、そるとちゃんにも将来的に読んで欲しいな。
本のタイトルは「きみのお金は誰のため」かぁ。
それではまず、本の要約とポイントを事前に教えてください♪
そるとちゃん、あんまり読む気ないでしょ…
こんにちは!お金と幸せな人生について考えることが多くなってきた30代のあいろん(@iron_money)です。
今回は2023年10月に発売した経済教養小説「きみのお金は誰のため」の要約とポイントについて解説していきます。
この記事はこんな方に向けて書いています。
結論としては、下記になります。
それでは早速いってみましょう!
今回の紹介書籍:「きみのお金は誰のため」
「大人も子どもも知っておきたい経済教養教室」
「3つの謎を解いたとき、世界の見え方が変わった」
上記のようなキャッチコピーで展開される「お金」を題材にした本書ですが、ストーリーとしては下記の通りです。
- ひょんなことから主人公が屋敷に迷い込む
- 屋敷に住んでいる「ボス」という人物から、お金の真理を教わっていく
割とありがちな展開だよね…
まぁ、展開はね(笑)ただ内容は興味深いよ。
下記のようなお金に対する「3つの謎」について追求していくんだ。
- お金自体には価値がない
- お金で解決できる問題はない
- みんなでお金を貯めても意味はない
パパ、全然意味がわからないよ?
お金には価値があるし、解決できることも多いし、みんなでお金を貯めればみんなお金持ちになれるから幸せだよね。
本書で一貫して伝えたいのは「お金は手段であり、目的ではない」というポイントなんだよね。
3つの謎がどういうことなのか、詳しく紹介していくよ。
「きみのお金は誰のため」要約と知っておきたいお金の知識3選
- お金は税が導入されて価値が出る
- お金を払うのは「問題解決」を他人にパスしていることである
- お金を通じて「贈与」がつながっている
①お金は税が導入されて価値が出る
「お金自体には価値がない。税を導入することで個人目線での価値が生まれて、お金が回り始める」
上記は小説内で登場しますが、「お金自体には価値がない」を説明する言葉です。
例えば、日常にあふれている下記のようなケースも税が導入されて個人に「円の価値」が刷り込まれているから成り立ちます。
なるほど。
お金があってみんな共通で「円」という通貨を使っているから、日本中どこでも「みんながお互いのために働く社会」として機能するんだね。
「お金と税金がセット」という考え方は興味深いよね。
今まで「税金は悪」というイメージでしたが、本を読んだら少しはイメージが緩和されました。
②お金を払うのは「問題解決」を他人にパスしていることである
「どんな問題もお金では解決できない」
上記のように言いきるボスに、小説内で主人公たちは当然のように反論します。
お金は色んな問題を解決してくれるから、みんな欲しがるんだよ。
全然ボスに納得できないなぁ。
「お金と税金がまぁ、今の日本は恵まれているから中々想像しづらいよね。ボスが言っているのは、大きく下記の2点なんだよ。」という考え方は興味深いよね。
なるほど、結局問題は「お金」じゃなくて「人」が解決しているという考え方なんだね。
一方で本書ではお金の力は「選ぶ力」だと断言しているよ。
選択肢が多いのは当然局面を有利に運べるからね。
なんか、この本に書かれている「お金の知識」は本質って感じだね。
難しいけど理解できた時に力になりそう。
③お金を通じて「贈与」がつながっている
「個人の視点では、パンにありつくためには、お金を貯める価値がある。だけど全体で考えると、みんなでお金を貯めても何の解決にもならない」
上記が「みんなでお金を貯めても意味がない」の根幹だとボスは主張します。
上記は社会保障の経済学では基礎的な考え方ですが、小説内では子どもにもわかりやすいようにキャッチーな言葉で語っています。
国が「消費を促す」とか「経済を回す」と言っているのは、お金を貯めるより大事なことが全体としてあるからなんだね。
人類は「物々交換」をより進化させ、金によって経済は発展してきました。
そして知らない人同士でも支え合っていきていけるように、お金を利用した「贈与」でこの世は成り立っているとボスは言います。
「世界は贈与で出来ている。自分から他人、他人から自分への贈与であり、過去から現在、現在から未来へと続いている。その結果、僕らは支え合って生きていけるし、より良い未来を作れる。それを補っているのがお金だと位置付けている」
上記は本書の根幹をなす部分だと感じます。
単体では「お金は無力である」ことを主張しつつ、世界や経済における他者との共存共栄をお金が補っているという点にも触れています。
「世界は贈与で出来ている」という言葉には感じるものがあります。
確かにわたしたちも他者へ贈与することで生きているのかもと思いました。
結論:「お金の本」ではなくて「お金を通じて愛を考える本」だった
「きみのお金は誰のため」は読んでみるとお金の本というより、社会の仕組みの本だったね。
そるとちゃん、その通りだね。
子どもにもわかるように平易に書いているけど、言っていること自体は経済学や社会学で学べることが多いよ。
でも、最後に一個だけ教科書に書いていないことが出てくるんだよね。
えっ、なになに?
本書の最後には、ボスから主人公たちへお別れのメッセージが届けられます。
そして、そのメッセージはおそらく教科書には載っていないでしょう。
「大事なことは、心から人を愛すること。愛する人を守ろうと思うと、社会が他人事でなくなる」
自分だけなら、自分の周りのことだけ気にかければいい。
ところが、愛する人はいつも自分のそばにいるわけじゃない。
そうなると、その人を守るためには、社会が良くなることを願う。
「僕たち」の範囲が広がるんだ。
上記には心に感じるものがありました。
結局は「愛」がキーワードの本だったということが最後になって良くわかります。
おそらく、読んだ段階ではぴんと来ない方もいるでしょう。
一方で、読んだだけで泣きたくなる人も一定数いると思います。
私は後者でした(笑)
ぜひ全ての読者に知ってほしい内容です。
ラップアップ
今回は2023年10月に発売した経済教養小説「きみのお金は誰のため」の要約とポイントについて解説していきました。
子どもも大人も楽しめる内容なので、興味があれば手にとってみると良いでしょう。
最後に一言。
そるとちゃんにももう少し大きくなったら読ませたい。
そんな素敵な本がまた一冊増えました。
それではまた!