書評

住宅営業マンの年収は?本音はどう思っている?激務すぎる住宅業界の闇5選

そると

パパ、今度お友達が一戸建てを購入するんだって。

住宅に詳しいパパなら何の本をおすすめする?

あいろん

そうだなぁ、細かい話より住宅業界の内情を知っておいた方が良いと思うから(笑)この本をすすめるよ。

その名も「住宅営業マンぺこぺこ日記」!

住宅業界のリアルが詰まっているので、お客さんになる前にまずは読んでおくべき。

ちなみに著者の勤務先はタマゴホーム(仮称)となっているけど、もうどの会社だかわかるよね(笑)

そると

あぁ、キムタクさんCMでお馴染みのタマホームのことだね。

面白そう!どんな本なのか教えて〜!

こんにちは!住宅営業マンの友達が多いあいろんです。

今回は住宅メーカーが何を考えて営業しているのかよくわかる面白い書籍「住宅営業マンぺこぺこ日記」から住宅業界の闇をご紹介します。

この記事は、こんな方に向けて書いています。

  • 住宅営業マンの本音が知りたい
  • 住宅営業の年収や働き方が知りたい
  • 住宅購入を検討しているので住宅業界に詳しくなりたい

結論としては、下記になります。

  • 住宅営業マンは「ノルマ」に常に追われている
  • 住宅営業マンは激務である
  • 住宅営業マンは平均年収よりは高い水準が多い
  • 住宅営業マンは「入るのは簡単」「続けるのは難しい」
  • 住宅営業マンは学歴が関係ない「実力社会」

それでは早速いってみましょう!

住宅購入前に読みたい一冊「住宅営業マンぺこぺこ日記」

「住宅営業マンぺこぺこ日記」は職業と人生を綴る「ドキュメント日記」シリーズであり、2022年6月に発売されました。

著者はローコスト住宅メーカーのタマゴホーム(仮名)で10年間営業現場の第一線にいた屋敷康蔵氏という方です。

本書の特徴は、なんといっても「ここまで暴露しちゃって良いんですか」と読者側が心配になるくらいの圧倒的リアリティにあります。

あいろん自身も住宅購入に非常に興味を持っていた時期があり、かつ友人が様々な住宅会社で働いていることから「業界の内情」や「常軌を逸する激務ぶり」は良く聞いていました。

本書はそんな「住宅業界に勤める親しい友人」が飲みに行った時に話してくれるような裏話が満載です(笑)

住宅購入を検討している方はもちろんのこと、住宅業界に興味がある方も間違いなく読んでおきたい一冊です。

あいろん

住宅には「工法」とか「資金計画」とか「プラン」とか色々あるんだけど、まずは住宅会社が何を考えているか知れる、という本は貴重だよ。

そると

たしかに、テクニックよりも先に考え方を知るのは重要だよね。

住宅業界の平均年収について

今回は「住宅営業マンぺこぺこ日記」を参考に住宅業界の多忙さや大変さを中心にフィーチャーしますが、その前にハウスメーカー各社の平均年収についておさらいしておきます。

代表的なハウスメーカーの年収をランキングで並べると下記の通りです。

  • 積水化学工業(セキスイハイム)・・・870万円
  • 住友林業・・・859万円
  • 大和ハウス工業・・・869万円
  • 積水ハウス・・・800万円
  • タマホーム・・・693万円
  • オープンハウス・・・644万円

※いずれも有価証券報告書2021より抜粋

ざっくりで見ると、大手と呼ばれるハウスメーカーの中でも年収ベースで600万円〜850万円程度のレンジがあることがわかります。

ただし、ハウスメーカー自体が「超実力主義」であることを考えると、あまり平均年収に意味はないのかもしれません。組織に適応した人は年収1000万円を超える一方で、売れてない営業マンは300〜400万円程度の年収で休みなし、超激務という内容も良く目にします。

あいろん

大手のS社に勤めている友人は「住宅業界は自分の子供には勧められない。

給料は良いけど労働時間が長すぎて仕事以外を充実させられない」と遠い目で語っていたよ。

あいろん嫁

確かにママ友の旦那さんは住宅営業マンでいつも夜中に帰ってくるって言っていたわ…

「住宅業界の闇」5選

「住宅業界の闇」5選
  1. 採用基準は「稼ぎたい気持ち」の強さ
  2. 激務すぎて離職率が高い
  3. 社内がブラック化しているパターンが多い
  4. 「今月だけのキャンペーン」など存在しない
  5. 値引き幅を考慮した価格設定になっている

「平均年収が高い」

「実力主義」

「お客さまの感謝を直接感じられる」

「一生に一度の買い物に携われる」

上記のように、住宅業界は魅力的な要素が多くかつわかりやすい業界です。

しかしながら、トラブルも多く「激務」「ストレス過多」「高離職率」など現実的に大変な部分も良く知られています。

そんな中で住宅業界の本音やトラブルを綴った本書より、「住宅業界の闇」を5つのポイントにまとめてみます。

採用基準は「稼ぎたい気持ち」の強さ

本書では住宅営業マンの「採用」や「人事」についてもリアルに記載されています。

ある日、店長は中途採用の面接で下記の人物を採用します。

井之上さん(仮名)
  • 45歳
  • 住宅業界未経験者
  • 前職はハンバーグチェーン店「ビッグボーイ」の店長

そんな井之上さんを、店長は面接一発で合格とします。店長は採用の理由を下記のように語りました。

「彼はかなり金に困っているから」

建前上の動機なんてどうでもいい。

会社からすれば「歩合給」に対して貪欲で、成果を出せる人間が欲しい。

厳しい世界で辞めないで成果に対して貪欲でい続けるためには、金に困っているくらいがちょうどいい…というわけです。

なんだか少し反社会的な話に聞こえますが(笑)、実態は上記のようなものだとO社に勤める友人も賛同していました。

「住宅営業は会社の製品を個人事業主として販売するフランチャイズの形態に近い。売れなくても誰も助けてくれないし、自分を支える強い心がないと続けるのは中々難しいと思う」

そんな友人にO社で営業を続けている理由を問うと、悟りの境地でウイスキーグラスを傾けながらこう答えました。

「学歴のない人間が2000万も稼ごうと思ったら、多少は何かを犠牲にしないとな」

かくして、前述の「金に困っている」という理由だけで45歳の業界未経験者はタマゴホームに入社することができたのです。

そると

この本に登場する中途入社のおじさん、元々はハンバーグチェーン店「ビッグボーイ」の店長さんっていう経歴にびっくり!

あいろん

45歳で業界未経験者が入れる業界は限られるだろうな。

住宅業界の人手の足りなさを象徴してるね。

激務すぎて離職率が高い

さて、前述の通り採用基準も中々の緩さを誇る「万年人手不足」の住宅業界ですが、結果的に前述の井之上さんは1年半でタマゴホームを退職してしまいます。

この井之上さんは「プライドが高い」「住宅営業に興味がない」という致命的な欠点が浮き彫りになり、営業所でもお荷物社員として扱いを受けていたそうです。

店長の横に座って契約を取るだけの文字通り「お飾り営業マン」と化した井之上さんは、精神的に追い込まれてしまったそうです。

井之上さんの退職理由は下記の通りです。

退職理由
  • 面接時は「研修があるので未経験でも大丈夫」と言われていた
  • 「未経験可」の割に誰も何も教えてくれない
  • 社内の人間関係のストレスが半端じゃない

以前Tホームに勤めていた知人に聞いたところ、3年以内の離職率は優に50%を超えると言っていました。つまり井之上さん側の人間の方が多いわけです。

大手、中堅、新興ハウスメーカー…それぞれに違いはあれど「万人が続けられる仕事ではない」ことはよくわかります。

あいろん嫁

たしかに家を買うときの営業マンは信頼できる人から買いたいもんね。

あいろん

「やりがい」と「ハードワーク」が隣り合わせの仕事だからなぁ。

社内がブラック化しているパターンが多い

住宅営業マンは前述の激務と重なる形で、ストレスフルな環境が多いことも特筆すべきポイントです。

むしろお客さんとだけ向き合えていれば、それは良い会社でしょう。

住宅系の会社はほぼ例外なく社内で厄介な会議があります。「営業会議」と称されるその会議には住宅営業マンのリアルが詰まっています。

  • 営業所売り上げ見込み
  • 見込み客の報告
  • 叱咤激励という名のパワハラ

「やる気」「根性」「熱意」「大声」「宣言」と体育会系さながらの現場は、馴染む人を選びます。大多数の人にとってはブラックと呼べる職場環境でしょう。

あいろん嫁

社内報告がしんどいのは営業あるあるだけど、商材が商材だけに月に1件も売れないなんてのがザラにある業界だから余計きついよね。

あいろん

0件だと「おまえ今月何の役にもたってないじゃないか」と罵られることもあるとか…

「今月だけのキャンペーン」など存在しない

あいろんが「住宅営業マンぺこぺこ日記」内でもっともリアルかつここまで書くかと思ったのは(笑)住宅会社がよく行っているキャンペーン特典についてです。

住宅購入経験者ならよくわかると思いますが、住宅メーカーというのはやたらと決断を急がせたがる傾向にあります。

背景には前述の通り厳しいノルマに追われている部分と、契約意思を確認後でないと社内を動かしにくいという業界特有の事情があります。

しかしながら、金額も金額だけにそんなに簡単に決断できない人が大半です。

そんな顧客向けに住宅会社は「今月契約特典」「キャンペーン」と称して様々なサービスを謳うケースが多いです。

一例として、下記のように「少し値は張るけど、サービスされたら嬉しい」ものがよく対象にされます。

  • 食洗機
  • 2階トイレ
  • キッチングレードアップ
  • 浴室テレビ

本書では当時のタマゴホームは「食洗機」「2階トイレ」は営業マンの裁量に任せられていたと語られています。

オプションとは名ばかりで、営業マンのクロージング時の決まり文句として「今月契約いただけたら食洗機サービスします」という具合で使われていたそうです。

「住宅会社の言うことは話半分に聞かないと危険である」

この事実は、住宅購入検討者は知っておいて損がない内容です。

そると

住宅営業マン、嘘ばっかりじゃん!

あいろん

一概には言えないけど、周りのトップ営業マンたちを見ていても頭がキレて口が達者な人が多いからね。

全て丸投げする選択肢はだいぶ危険だよね。

値引き幅を考慮した価格設定になっている

本書では、住宅営業マンの値引きについての考え方もかなり生々しく言及しています。

中でも「住宅は値引きすることを前提に成り立っている」という考え方は必ず知っておきたい部分です。

著者の考え方は「値引き交渉は必ずすべき」であるとなっていますが、これは各住宅メーカーに勤める友人たち複数人に聞いて回っても同じ回答でした。

具体的には下記のような根拠があります。

「値引き幅は基本的に必ずある」

「交渉失敗したときのデメリットがない」

「いきなり根拠のない値引きを出してきた時は要注意」

あいろん嫁

全体的に言えるけど、住宅営業マンを信用しすぎるのは良くないね…

あいろん

パパも前に住宅購入検討したときにいきなり300万円も値引きされて、嬉しいより意味がわからなさすぎて引いたよね。

ラップアップ

今回は参考書籍をもとに住宅業界の闇をご紹介しました。

著者は住宅営業は大変だがやりがいがある、感謝を直に感じられるなど住宅営業マンには良い部分もありますと語っています。

光も闇も含めてある程度は知っておきましょう。

最後に一言。

あいろん

住宅営業マンはわかりやすい実力主義だし、多忙になりがちということなんだね。

そると

パパには早く帰ってきて欲しいからなってほしくなーい。

それではまた!

ABOUT ME
あいろん
30代半ばのサラリーマン。 大学卒業後、中堅メーカーに就職。 現在は、大手IT系企業に勤務。 プライベートでは1児の父。 娘のそるとちゃんを溺愛しています。 仕事・投資・その他マネーハック的な記事含め書いています。 FIREは目指していますが、働くのが苦でない系サラリーマンです。
広告