パパ~、2022年に入ってから相場が調整局面に入って株価が下落傾向だね。
パパの資産も減っているんでしょ?大丈夫?
そるとちゃん、良く経済を勉強しているね。
確かに「今の資産」は2021年末と比べたら減っているけど、将来的に増える可能性が高いんだから何の問題もないとパパは思っているよ。
さすが投資歴10年以上のパパ!どっしりしてる!かっこいい!
でも、パパだってやっぱり減りゆく資産を見るのは好きじゃないよ(笑)
そんな時には色んな書籍を読んで心を落ち着かせるのが1番。
今回は「サイコロジーオブマネー」を読んで日々をやり過ごしているよ(笑)
そうなんだ!どんな内容なのか教えて~!
こんにちは!現時点でサテライト運用している個別株が絶賛含み損モードに突入中のあいろんです。
今回は調整局面で心が乱れている人向けに、「サイコロジーオブマネー」を読んで心を落ち着かせてもらうため要約を紹介していきます。
この記事はこんな方に向けて書いています。
結論としては、下記になります。
それでは早速いってみましょう!
サイコロジーオブマネーについて
本書籍「サイコロジーオブマネー」はベンチャーキャピタルに務める現役の金融プロフェッショナル、モーガン・ハウセル氏の著書です。
書籍の副題、「一生お金に困らない富のマインドセット」の名の通りお金に関する普遍的な考え方を中心に書かれており、名著と言われるマネー系書籍はある程度読んでいる自負があるあいろんも当初は読むかどうか悩みました。
この手のマネー系新刊にありがちな「過去の名著のまとめ本的な感じなのでは」と邪推していたわけです。
しかしながら、その推測は良い意味で裏切られました。著者のモーガン氏は普遍的なテーマについて上手に自分の意見を足していきながら、自分が思う最適解へと過去の名著の意見などを昇華させています。
それだけでもあいろん的には大変に読む価値ありの「名著認定」なのですが、もう一つ本書籍について重要な役割があることにあいろんは気づいてしまいました。
それは、「相場下落時に読むと心が晴れやかになる」という副次効果です。
これは奇しくも2022年4月現在、相場の調整局面で米国をはじめ各国の株価が不安定な状況ともマッチしています。
特にコロナショック以降に投資を始めた人は相場の上昇局面しか経験していなかったので、10%程度の調整局面でも心が乱れた方が多いでしょう。
その際に安心して眠れるような心の底から腹落ちした思考法を持つことは、投資家にとって何よりも大事です。
本記事では「サイコロジーオブマネー」より投資家が心がけたい6項目について抜粋して紹介します。書籍は277ページに渡る詳細内容盛りだくさんなので、興味が出た方は是非書籍を手に取ってみることをおすすめします。
書籍要約
あなたの投資判断は、「いつ、どこで生まれたか」で決まっている
2006年に行われた50年分に渡る消費者金融調査で、驚くべき事実が判明しました。
分析の結果、人の生涯に渡る投資判断は、その人が同時代に経験したこと、特に成人して間もない頃の経験に大きく左右されることが明らかになった、と本書では記載されています。
知性でも、教育でも、教養でもない。
「いつ、どこで生まれたか」という偶然の要素が投資判断を左右していることになります。
- 株式市場が好調な時代に育った人はその後の時代で株式に投資する割合が多かった
- インフレ率が高い時代に育った人はその後の時代で債券に投資する割合が多かった
まとめると、「個人投資家がリスクをどれくらい負うかは、その人の過去の体験に大きく影響されることを示唆している」ということです。
これを30代、日本人のあいろん自身で考えてみます。生きている中で「インフレ率」を考えたことなど人生でほぼ一度もありません。そして投資を始めた頃はリーマンショックから立ち直りを見せ始め、コロナショックがあったとは言えすぐに持ち直して全体的に好調な相場環境で育っているわけです。
あいろんが比較的「株式」に良い印象を持っていて、「債券」にあまり良い印象を持っていないのも上記ですべて説明が出来ます。
読んだ瞬間に「なるほど」と膝を打つ内容でした。
しかしながら、あいろんとは違いリーマンショックによる株価下落を経験した人はまた少し違う考え方をするでしょう。
コロナショック後に投資を始めた人がリスク偏重になりすぎて調整局面で右往左往するのも経験がないので、ある意味当然の事です。
自分の投資判断なんて、しょせん偶然に左右されているものだと思うだけで少しは気が楽になるとあいろんは感じました(笑)
投資の最重要アドバイスは「黙ってじっと待て」
本書には「私たちはウォーレン・バフェットを目指してはいけない」という、なんとも過激な文言が飛び出します(笑)
しかしながらその後の文章を読んでみると、非常に説得力があります。バフェット氏について語る筆者の言葉を一部紹介します。
ウォーレン・バフェットの資産のほとんどは60代半ば以降に増えたもの。
バフェットの投資の技術は優れている。だが、成功の最大の要因は「時間」だった
バフェットの成功を取り上げた約2000冊の書物の中に、「この人物は4分の3世紀にわたって一貫して投資を続けてきた」というタイトルはない。
(サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット モーガン・ハウセルより)
上記は一貫して複利の「すごさ」と「理解の難しさ」について説かれています。
良い投資とは、そこそこのリターンを繰り返し何度も手に入れ続けることであり、その時に複利は最大の力を発揮すると筆者は主張しています。
あいろんの感覚としても、上記は10年以上投資を続けた今ならしっくり来ます。
そして「そこそこのリターン」を得るために相場が下がってじっと待つ時は、可能な限り関心を持ちすぎない方がうまくいきます。
書籍を読んだり美味しいものを食べたり、幸せな予定で忙しくすることが投資継続の1番のポイントだと考えています。
投資で絶対避けたいのは、市場からの退場
もし、「お金で成功するために必要なこと」を一言で表すならば、それは「サバイバル」になるだろう。
お金を「得る」ことと「維持すること」とでは、まったく別物のスキルが求められる。
上記は本書に登場する文言ですが、なかなか造詣が深い言葉です。
すなわちお金を得るには「リスクを取り、楽観的に、行動を起こす」一方でお金を維持するには「謙虚で、緊張感を忘れず、倹約に努める」という別の能力にカテゴライズしているわけです。
上記のお金を維持する「サバイバル・メンタリティ」が重要になるのは、主に2つの理由からです。
- 自分の身を削ってまで得る価値などない事
- 複利の効果があること
バフェット氏がお金持ちになれた理由を、もう一度おさらいしてみます。
- 「投資に熱中するあまり、過度の借入をすること」がなかった
- 14回の不況を経験したが、パニックになって売りに走らなかった
- ビジネス上の評判も落とさなかった
- 特定の戦略や世界観、トレンドに固執しなかった
- 燃え尽きて投資を辞めたり引退せず、10歳から89歳まで一貫して投資を続けてきた
ウォーレン・バフェット氏の本当の凄味はまさに「凡事徹底」ここに極まれりだと思います。誰でも生きのびてさえいれば自然と資産はついてくる、好例ではないでしょうか。
5割の確率で間違っていても、トータルでは大儲けできる
投資の世界には「損小利大」という言葉があります。損失は少なく、利益は大きく。投資の巧拙はいかにして大きく利益を取っていけるかという考え方です。
本書にも美術品商を例にした下記のような記載があります。
「優れた美術品商は、膨大な量の美術品を投資対象として購入する」
その心は下記になります。
「多くの美術品を長期間保有すると、その一部が優れた投資対象であることが判明する。その結果、ごく一部の高リターンな美術品により、コレクション全体が黒字になる。これが成功する美術品商のビジネスの仕組みなのである」
あいろんは上記を読んだ時、「これだよこれ!」と膝を打ちました。(2回目)
というのも、特に投資を始めたいという友人たちは「損しないかどうか」「必ず儲かるかどうか」を聞いてくることが多く、毎回違うんだよなぁ…と思いながら見聞きする機会が多くありました。
そしてそういう人にはリスクとリターンの概念を説明したところで、ほぼ例外なくピンときません。
しかしながら、おそらく上記の美術品の例はかなり伝わりやすい上に仕組みがインデックスファンドと激似です。
そしてこの結果の分布図の最後尾を示す言葉、「テール」こそがエースの役割を担ってチームを勝利に導いてくれるわけです。
これこそが「5割の確率で間違っていても、トータルでは大儲けできる」からくりであり、投資家は必ず覚えておきたい基礎知識です。
天才的な投資家の定義は「周りの人たちが我を忘れているときに、当たり前の行動を取れる人」
ナポレオンは、天才的な軍人の定義を問われ下記のように答えたとされています。
「周りの人間が正気を失っているときに、普通のことができるもの」
また、パイロットの世界では「この仕事は膨大な退屈な時間の中で、ごくまれに訪れる恐ろしい瞬間に対処すること」という冗談があるそうです。
上記は投資にもそのまま当てはまります。
「恐怖の瞬間」にどう対応するかがそのまま投資家としての資質になると筆者は説いています。
著名投資家のピーターリンチも「この業界で際立って優秀な人でも、正しい判断をするのは10回の内6回程度」と言っています。
前述の通り、それほど正解を出し続けるのは難しいということです。そしてそれはビジネスだろうが、軍人の戦略だろうが、投資だろうが例外なく当てはまりそうです。
平凡なサラリーマンで言えば、優秀な人より半分に見積もったとして3回正解を出せれば御の字だとあいろんは考えます(笑)
本項目はあいろんが本書籍の中でも最も好きな箇所です。
なぜなら「周りの人たちが我を忘れているときに、当たり前の行動を取れる人」には知識さえあれば誰でもなれる普遍性があるからです。
そしてその知識を本書のような良書から手軽に学べる現代に感謝です。
知識があるだけで、ナポレオンが天才的と敬う存在になれるなんて…なんだか得した気分になりませんか?(笑)
「誤りの余地」を残すほどどんなことにも耐えやすくなる
ラスベガスのカジノで行われる「ブラックジャック」において、プレイヤーの戦略の基本は「謙虚さ」に集約されるそうです。
ブラックジャックにおいて既に場に出ているカードを記憶して、勝率を僅かに上げることは可能です。しかしそれはあくまで「確率」が上がるに過ぎません。
そんな時、名プレイヤーであればあるほど「目の前のチップを全て賭けられるほど自分が正しいと思える瞬間はない。世の中はそんなに甘くない」
と考えるそうです。
上記こそが「誤りの余地」と呼ばれるもので、一言で言うと「ご利用は計画的に」といったところでしょうか(笑)一般的なギャンブラーとは少し異なるイメージですよね。
「不確実性」「無作為性」「偶然性」などの、未知数の存在を常に認めることが投資家は苦手です。
投資に関する内容で、下記のような質問を良く見かけます。
〇〇株は上がるか?下がるか?
今後10年間の株式市場の平均年間収益率はどれくらいになるか?
私が引退できるだけの老後資金を貯められる日はいつか?
上記は、愚問中の愚問です。なぜなら偶然性に支配されたこの世界を「正確な予測は可能」だというクレイジーな考え方をしていないと出てこない質問だからです。
「Appleの株を2007年から持ち続けていれば約50倍になった」と言うのは簡単です。
但し、それを言うなら「東京電力の株は2007年から持ち続けていると9割以上下落している」という事実も付け加えるべきです。
上記は理解できるけど、何か対応策はないのか?
その問いに対する答えこそが、本項の「誤りの余地を残す」になるわけです。
ウォーレン・バフェット氏の師としても知られる伝説的投資家、ベンジャミン・グレアム氏は下記のような言葉を残しています。
「安全域(誤りの余地)を設ける目的は、予測を不要にすることである」
「誤りの余地を残せば残しておくほど、どんなことにも耐えやすくなる。耐久力があるからこそ、時間を味方につけ、長期間に渡って勝負を続け、低確率の結果からしか得られない最大の利益を得られやすくなる」
節約系の書籍などで良く取り上げられる「生活防衛資金」を残しておくのはもちろんのこと、「投資できるけど手元にあるキャッシュ」も誤りの余地には含まれます。
上記を踏まえた上で、投資において誤りの余地をつくる場面が2つあると筆者は主張しています。
- ボラティリティによる価格変動リスク
- 老後資金のための投資
「価格変動リスクを事前に、多めに見積もる」
「老後に得られる利回り予測を少なくしておく」
たったこれだけで、「安心して夜に眠ることができる」わけで、これはどんな投資家にとっても非常に大切な考え方になります。
2022年1月、ナスダック指数は11月の直近最高値の14%下落しました。
その時、安心して眠れていましたか?
下落が30%になったら?50%になったら?
この辺りの誤りの余地はしっかり残すべきですが、難しいのも事実です。
あいろんも実際、2020年のコロナショック暴落時は気が気ではありませんでした(笑)
上記は投資家にとって永遠のテーマですが、あいろんは生きている間に1~2回くらいは暴落で資産が半分になるんだろうなという「誤りの余地」を自分に残しています。こう思うと今回の調整局面などは「どうせ50%も減らないんだろうな。可愛いものだ」といなせるようになります(笑)
ラップアップ
今回は「サイコロジーオブマネー」のあいろん流要約を紹介していきました。
本書は特に相場が落ち込んだ時、何度でも読み返したくなる普遍的内容です。相場に居続けることの重要性を腹の底に落とし込みましょう。
最後に一言。
パパは小難しく書いてるけど、投資をしている人なら純粋に面白い内容だからおすすめだよ♪
それではまた!