そるとちゃん、「給与/待遇で会社を選ぶ方と働きたいとは思わない」って会社名出した人事のアカウント知ってる?
X(旧Twitter)で昔にすごい炎上したんだよね。
あー、「ノースサンド」でしょ?
ベイカレントモデルのコンサル業で人材レベルが重要なのに、「中の人」のレベルが知れちゃって商売上がったりだよね。
そるとちゃん、ずいぶん詳しいんだね…
(この娘の方がリテラシー高いわ)
こんにちは!「自分という唯一無二の商品を安く見積もらせて使い倒そうとする」ブラック企業に対して怒りを禁じ得ないあいろん(@iron_money)です。
今回は、2022年にX(旧Twitter)界隈の「人事担当者の炎上」としてトレンドになった事例を取り上げて紹介していきたいと思います。
この記事はこんな方に向けて書いています。
結論としては、下記になります。
それでは早速いってみましょう!
ノースサンドの炎上経緯と事業内容
2022年1月31日、「人事の大塚さん@株式会社ノースサンド」なる人物がX(旧Twitter)でポストした投稿が話題になりました。
その話題の投稿はこちら。
新卒採用担当を採用したいと思い、沢山の方にご応募いただいているのですが、給与や待遇にこだわりのある人とは働きたくないのです。。。
— 人事の大塚さん@株式会社ノースサンドって知ってる? (@nshr_otsuka) January 31, 2022
私は、会社の顏となる人事だからこそ、待遇/給与で会社を選ぶ方と働きたいとは思わない。
控えめに申し上げて、至るところに燃料がセットされているね。
炎上するのも納得だね。
案の定本ポストはバッシングの嵐が起こり、拡散されました。
本ポストは事件後の3日間で8300リポストを超え、ビジネス界隈におけるインフルエンサーの田端氏も本件について言及するなどお祭り騒ぎの様相となりました。
さて、上記のポストが炎上してしまい事態の収束を図りたい大塚さん。早速翌日に下記のようなポストをして事態の収束を図ろうとします。
収束を図ろうとポストした投稿がこちら。
沢山のご意見いただきありがとうございます!
— 人事の大塚さん@株式会社ノースサンドって知ってる? (@nshr_otsuka) February 1, 2022
あくまで私の意見、考え方であって、
人事部で共に働きたい人に求めている部分です。
採用に携わる方は自分の目で、自分の価値観で見極めたい。
価値観はそれぞれ違いますので、私が正解でもないし
それぞれの価値観がそれぞれの正解だと思っています。
どうやらまだ燃料が投下したりなかったようだね(笑)
炎上するのも納得だね。
本ツイートにより当然ながら批判は更に加速しました。
もうここまで来ると「わざとやっているのではないか」という推測がちらほら出るなどお祭りは更にエスカレート。
事態は大きくなる一方でした。
わたしも一連の流れを見て「ここまでしょうもない人事担当者がいる企業を逆に詳しく知りたい」と見事に釣られてしまい、少しだけノースサンド社について事業内容を確認しました。
ざっくりとノースサンドについて調べたところ、要旨は下記になります。
ノースサンド社は、近年では「高年収ランキング」にも掲載される日系のコンサルタント企業、ベイカレントコンサルティング出身の代表が立ち上げた会社だそうです。
ビジネスモデルも類似しています。
一通りホームページを見ましたが、特に競合と比較して特筆している点は皆無でした。
パパはベイカレさんと実際に仕事をして、色々な「中の人」とお付き合いの経験があるもんね。
ベイカレントコンサルティング社は一言で申し上げると「ハードワーカー」「泥臭い仕事も厭わずこなす」という印象が強い会社です。
創業者にベイカレの血が入っているので、雰囲気については大体察しがつきます。
コンサルタントは特性上「ヒトの力」を起点にビジネスを行います。ベイカレは高年収企業として名高いですが、報酬があるからこそ優秀な人材が泥臭い仕事も厭わずに遂行するわけです。
だからと言ってベイカレの社員は報酬に固執しているか?というと、そんなことはありません。
むしろ真逆のイメージです。
社員の方にベイカレの良いところを聞くと「自己成長できる」を挙げる向上心の高い方が多い印象です。
前述の通り、ベイカレは優秀な人材の集まりです。
ベイカレと比較するのはあまりにも酷ですが、同種のビジネスを行なっているノースサンドにも「給与/待遇」が重要である認識は当然ながらあったでしょう。
しかしながら人事担当の大塚さん今回「給与/待遇」にフォーカスして炎上しました。
炎上ポイントはなんだったのか?振り返っていきたいと思います。
炎上ポイント
高飛車に感じる言葉遣い
前述の「大塚さんの発言」内容に対して実際にあったコメントの一部を抜粋します。
「ブラック企業のテンプレのような考え方」
「価値観は自由だが、会社のアカウントで発信すべき内容ではない」
一方で、少数ではありますが下記のようなコメントもありました。
「そこまで変なことを言っているわけではない」
「伝え方が下手すぎるだけで伝えたい意図はわかる」
上記には、わたしも同意する部分があります。
おそらく、大塚さんが伝えたかったのは下記のようなニュアンスなんだよね。
- 十分な制度も整っていない環境をポジティブに捉え、自分の意見で会社を動かしてやる!くらいの気概がある人に来て欲しい。
- 会社としての待遇は他所に比べればまだまだだけど、絶対に数年後には他所が羨むような待遇にしてやる!くらいの気概がある人に来て欲しい。
たしかに上記を読むとあんまり嫌な気持ちにはならないですよね。
清々しいスタートアップ精神って感じで。
ここでもう一度、問題のポストを見てみましょう。
「私は、会社の顏となる人事だからこそ、待遇/給与で会社を選ぶ方と働きたいとは思わない」
まず、「会社の顔となる人事だからこそ」という枕詞ですが、全く意味がわかりません(笑)
他の職種は別なんですか?というツッコミどころが満載です。
唯一伝わるのは、「無駄に人事である自分を誇っている」そのプライドの高さだけですね。
そして次の「待遇/給与で会社を選ぶ方と働きたいとは思わない」という言葉ですが、これは文章力の拙さの問題が大きいでしょう。
無駄に否定系で文末を終わらせることによって読んだ人の気分が悪くなる、プライドの高さを滲み出しています。
個人的には、「今はまだ十分な待遇ではないけれど、共にベンチャーマインドを持って働いてもらえるメンバーと一緒に働けることを楽しみにしています」などで締めていれば全く異なるニュアンスだったと思います。
「文末に否定系で終わらない」これ実は結構重要なコミュニケーションテクニックなんだね。
たしかに、敬遠されがちな人は良く否定系で終わる会話が多いのが特徴だね。
透けて見える選民思想
前述の高飛車な言葉遣いともリンクするのですが、読み手に「選民思想」的な感覚を感じさせたのも反感を買った大きな要因ではないかとあいろんは考えています。
X(旧Twitter)のコメントに下記のような内容がありました。
「人事に配属されて、あたかも私がこいつらの人生の重要な鍵を握ってるんだと勘違いしてるのが透けて見える」
上記は結構的を得てるなぁと思ったコメントで、実は私も同じことを思っていました(笑)
言い方は悪いですが、企業の雇われ人事担当者程度が調子に乗りすぎです。
「会社の顔」だとか、「働きたいとは思わない」って、創業者にでもなったつもりか?と感じ、嫌な気持ちになる文章でした。
若い人材を安売りさせ、使い捨てる。そんなブラック企業の片鱗を見た気がします。
最後に、もう一つ、あいろんが深く共感したコメントを下記に記載します。
「求職者も同じく貴方を見てますよ」
パパにはこういう会社には絶対入らないようにと強く諭されたよ。
まぁ入らないけど。
会社のガバナンス問題
問題発言から3〜4日が経過しても、問題のアカウント「人事の大塚さん」を含むノースサンドのメンバーは全員沈黙を貫いています。おそらく箝口令が敷かれているのでしょう。
※2023年10月追記:本件に対してのノースサンド社からのコメントは結局ありませんでした
私は今回の件の1番の問題点は「会社としてのガバナンス」にあったと思っています。
一般常識感覚のある会社であれば、
「先ほどの発言は不適切でした。思いを伝えたいばかりに公私混同して主観を発信してしまいました。申し訳ございません」
これで終了だよね。
「自分たちは悪くない」「こんなことで叩かれる筋合いない」という会社としての考え方が透けて見えるところも、今回の件で大きく評判を落とした一因だと考えます。
「非は素直に認める」
「悪いことほど対応は迅速に行う」
上記のような凡事徹底を改めて思い起こさせてくれる良い例です。
ノースサンドのその後は?(2023年)
2023年になって改めて振り返っても、かなり炎上した事件だったね。
そうだね。
ただその後、本件については組織ぐるみで一切ノーコメント。
大塚さんのアカウントを削除するわけでもなく、「完全シカト」してる企業姿勢はどうなんだろうね。
自分が蒔いた種とはいえ、大塚さんもその後は表に一度も出てこないから少し心配だね。
そうだね。
ただ、「会社の顔」なんてイキってた割に一回の炎上で失踪して、その後コメントないのは「会社の顔」として失格だよね。
会社側もフォローしてあげるのが道義だと思うけど会社の質が知れる案件だったと思うよ。
ラップアップ
今回は、X(旧Twitter)で実際にあった「人事担当者の炎上」になっている事例を取り上げて紹介していきました。
X(旧Twitter)はどうしても文字数制限があり、「言葉を削る力」が求められます。
「人のふり見て我がふり直せ」言葉に携わる人間全てに共通する問題ですね。
最後に一言。
会社や自身のブランドイメージなんて、一夜にして失墜する。
そんな世の中です。
気をつけていきましょう。
それではまた!