(問題を解きながら)うーん…難しいな。
パパ、難しい顔してどうしたの?
「インバスケット思考」というものを鍛えるために問題を解いてるんだけど、次から次へと問題が発生してどれから手つけて良いか悩んでるんだよ…
難しく考えないで、まずは安全第一!
次いで世の中の役に立つかどうか!くらいの判断基準で処理していけば良いんじゃない?
(そるとちゃんは既に経営者としての資質を秘めているな…)
こんにちは!仕事が回りきらない時に良く「インバスケット思考」に立ち返るあいろんです。
今回は「インバスケット思考」について記事を書いていきます。
この記事はこんな方に向けて書いています。
結論としては、下記になります。
それでは早速いってみましょう!
インバスケット思考とは
パパ、そもそも「インバスケット思考」ってなんなの?
インバスケットは元々は1950年代にアメリカ空軍が開発したゲームらしいんだ。
次々と起こる不測の事態を「タスク」として的確に、効率的に捌いていくことが求められるんだよ。
プレイヤーは架空の人物になりきり、多数の案件の中から限られた時間と案件の重要度を判断しながら同時処理していく事が求められるゲームです。
このインバスケットの要旨は下記になります。
- 絶対的な正解がない
- 場当たり的な処理ではなく「なぜそうしたのか」の過程や想いを重要視する
- 緊急度と重要性を軸に判断する
誕生から70年以上経っても未だに多くの企業や書籍で取り扱うテーマである事から非常に優秀なトレーニングツールである事が読み取れます。
日本でも大企業を中心に研修題材として取り扱われる事が多く、研修内容も若手向けから管理職層向けまで幅広く取り揃えられるのがポイントです。
いわゆる「思考法」なので、仕事人全てに共通する「仕事の優先順位付け」という仕事をする上での永遠のテーマと向き合える内容になっています。
インバスケット思考の例題
「インバスケット思考」って実際にどんな問題が出されるの?
そうだなぁ。
じゃあパパが作った例題にそるとちゃんトライしてみよう。
例題
あなたは「あいろん商事」に勤める営業部の5年目社員、Aさん(27歳)です。今、目の前には下記のような課題があります。
- 顧客からクレームを受け、「すぐに対応しろ!」と顧客から言われている
- 新規の大口案件のプレゼンをすぐに作成して事前に社内合意をとるよう、部長から指示を受けた
- 今月の売り上げが芳しくないため、すぐに対策を講じるよう課長から指示を受けた
- 急ぎ資料作成の依頼を先輩社員から受けた
- 他部署から至急での問い合わせが来ている
- 後輩がミスをして、フォローに回らないと後で大問題になりそう
- 現場アルバイトの数名が辞めそうだという連絡が内々で入り、自分が担当している現場から判断を仰がれる
問題が多すぎ!
どれから手をつければいいの!?
そるとちゃん、落ち着いて(笑)
実際はもっと多くの問題が起こるよ。
さて、あなたは案件ごとに何を重視して、どのように動きますか?
上記はほんの一例ですが、インバスケットの問題は共通して「こんなことありえない」と思うくらい、多種多様なトラブルに巻き込まれるのが特徴です(笑)
また、様々なロールを体験できるので職種や立場の擬似体験も可能なところが、長く受け継がれている理由でしょう。
インバスケット思考のメリット
インバスケットによって鍛えられる能力は5つに分類できます。
- 優先順位付け
- 問題発見力
- 問題解決力
- 指示力
- 説得力
優先順位付け
優先順位付けはインバスケットの最重要項目です。
前述の通り、インバスケット思考のトレーニング時は、信じられないくらいたくさんの問題が降りかかってきます。
ただ、仕事を長年やっていると、タイミングが重なってインバスケットに近いレベルで問題が多発する時もあります(笑)
例として簡単にあげてみると
冷静に考えると、自分の周りにはこれだけの関連人物がいて、様々な事柄を日々判断しながら生きているというわけです。
こんな時になんといっても欠かせない「優先順位付け」ですが、それを決めるのは「対応優先度」と「対応重要度」のマトリックスです。
人間の脳内はマルチタスク化している時はパフォーマンスが落ちるのが一般的です。
マトリックス化して、「今はこれをやる!」と決め込んだ時の方がパフォーマンスは向上するのでそれを繰り返して処理しまくるのがインバスケットのゲームクリアへの道です。
問題発見力
「問題発見力」もインバスケット思考に必要な能力として見逃せません。
試しに、自営業を営んでいるAさんのお店の屋根から少しだけ漏水している…という例で考えてみましょう。
状況的には、「屋根の修理業者を呼んで直してもらう」ということがベストなのは誰でもわかりますね。
ただ、下記も考慮する必要があります。
このように他の情報とも並行しながら優先順位付けするための問題の本質を発見する能力が身につきます。
上記のケースで言えば、屋根を直すスピードは天気や気温にも左右されるかもしれないから、同時に天気も気にしないとダメってことなんだね。
問題解決力
当然ですが問題は「見つけただけ」では何も解決していません。解決しないと意味がないのです。
問題を捉えて、優先順位付けしたら、解決に向けて策を見出さなければなりません。
見落としがちな点として、インバスケットにおいて「上司や他の人に頼る」という選択肢はあまり出てきません。なぜなら人に頼った時点でタスクとしては解決に進んでいかないからです。
責任者として指示を出すことに対して良いトレーニングになります。
頼みっぱなしで「なんでやってなかったんだ!」と言うのは自分の無能をさらけ出しているのと同じだもんね。
自分で責任を持つ良い練習になるんだね。
指示力
前述の通り、インバスケットは基本的に自分1人で解決できません。多くのタスクを処理するには人に対して指示を上手く出せないといけません。
この「指示力」は若手に特に良いトレーニングになるでしょう。
問題を解決するためには同時並行的に進める必要があり、周りと協業しなければなりません。
状況の説明や指示者への期待、感謝、相手に応じて諸々含めて変えていく必要があります。
対応順位において年齢や立場は関係ないとはいえ、気持ちよく動いてもらわないとパフォーマンスにも影響するもんね。
説得力
インバスケットにおいて人を動かす説得力は、かなり重要な能力だと考えています。
「想いを言葉に乗せる」とは口にすれば簡単ですが、最も嘘がつけない部分でもあります。
自分の考え方や想いをしっかり伝える。これは「アサーション」という歴としたスキルです。身につけることが可能です。
口の上手さより、個人的には想いがしっかり言葉に乗っかっている人の話は聞いていて引き込まれる部分が強く協力したくなります。
「アサーション」は自分の考えをできる限り軋轢を起こさずにしっかり伝えるコミュニケーションとして、研修などでも最近良く見るようになったよね。
インバスケット思考の鍛え方とおすすめ書籍
前述の通り、インバスケット思考にはたくさんのメリットがあります。
ここからは「どうすればインバスケット思考を鍛えられるのか」に踏み込んでいきましょう。
インバスケットは思考法なので鍛え方に関しては、正直近道がありません。慣れと経験を積んで思考を深めていくことが最短でしょう。
ドラクエで敵を倒してレベル上げしないことには魔王は倒せないのと同じだね。
今は関連書籍がたくさん出ているので、書籍を読み漁って自分なりの答えと解説を一通り見れば、それなりのトレーニングになります。
私が読んで読みやすかった、インバスケット初心者向けの関連書籍を紹介していきます。
- マンガでわかるインバスケット思考
- 入社2年目のインバスケット思考
2冊とも力を抜いて読める本なので、是非参考にしてみてください。
ラップアップ
今回は「インバスケット思考」を中心に思考力、判断力を鍛える記事でした。
少しでも参考になれば幸いです。
最後に一言。
たかがゲームと言わず遊びに真剣になれる人ほど、上達が早い。
インバスケットも奥が深いです。
それではまた!