パパ、友達のお父さんが「おまかせNISA」っていうのを始めようとしているらしいよ。
パパはどう思う?
そるとちゃん、悪いことは言わないから辞めておいた方が良いよ。
投資初心者には想定できないデメリットが多すぎる。
え、そうなの…?じゃぁなんでブログで紹介してないのよ(怒)
パパの記事を友達のお父さんに見せるから早く書いて!
はい、すいません…書きます(なんで怒られたんだろう)
こんにちは!長期的な資産形成は「積立NISA+SBI・V・S&P500」が最強だと思っているあいろんです。
今回はWealthNavi社がサービスを提供している「おまかせNISA」について、おすすめできない理由とデメリットについて紹介します。
この記事はこんな方に向けて書いています。
結論としては、下記になります。
それでは早速いってみましょう!
「おまかせNISA」とは

おまかせNISAは2021年2月17日からWealthNaviが提供している「日本初、NISA口座で自動でおまかせの資産運用」です。
WealthNaviのホームページから確認できる特徴を列挙してみます。
正直言って、WealthNaviに興味を持つような人であれば特徴③の「難しいことは自動でおまかせ」が魅力的と思うことでしょう。そしてこれが良く理解せずに投資して損失を被る重大な落とし穴につながっていきます。
現在「おまかせNISA」で検索をすると付随する関連ワードに「デメリット」や「評判」が並びます。これはどういうことなのか考察していきましょう。
まず、前提としてあいろんはWealthNaviへの投資スタンスは「条件付きだがアリ」派です。過去記事に詳しく書いてありますので是非ご覧ください。
しかしながら、今回の「おまかせNISA」はあいろん的には「ナシ」です。なぜならWealthNaviの運用の仕方は「一般NISA」と相性が良いと思わないためです。
その理由をデメリットと合わせて紹介します。
おまかせNISAのデメリット3選
基本的には、おまかせNISA自体が「一般NISA」であるため、あいろんが過去に経験した一般NISAの失敗体験と重複している箇所が多いです。一般NISAの基本的なデメリットを理解したい方は下記一読ください。
しかしながらあえて「おまかせNISA」のデメリットとして申し上げたいのはWealthNaviのビジネスの特性上、普通にNISAを始めようとする方と比較した時に「簡単でおまかせだから大丈夫」という誤った認識を助長する謳い方にあります。
デメリット3点は下記です。
では、それぞれ解説していきます。
期間の短さ(5年)
前述の通り、一般NISAは非課税期間が5年間の代わりに年間上限投資額が120万円と決まっています。因みにつみたてNISAは非課税20年間の代わりに、年間上限投資額は40万円です。
「だから何?」と思われたそこのあなたは投資にあたり損失を被る可能性がありますので注意です。投資界の色褪せない名著「ウォール街のランダムウォーカー」より、投資家なら必ず知っておきたい標準偏差のグラフを見ましょう。
5年間の投資では−2.4%〜28.6%に振れる事が読み取れます。そして投資期間が伸びていき、20年間の投資になると標準偏差は6.5%〜17.9%に収束していきます。
過去の投資の名著でも口酸っぱく「長期投資は資産運用的に飛躍の可能性が高い」と言いきれる根拠は上記のバックデータで立証されているわけです。
もちろん、過去のデータに過ぎませんので投資に絶対はありません。それは言い換えると5年後に−2.4%の損失では済まされない可能性もはらんでいる、とも読み取れます。
結局は、「5年の期間では不確実性が高い」という点において投資初心者にはおすすめできません。つみたてNISAの長期的資産形成スキームの方が賢明です。
一方で、一般NISAを活用して短期的な利益を取りにいきたい投資家には「おまかせNISA」のポートフォリオ自体魅力的ではないはずです。
非課税の恐ろしさ(損益通算出来ない)
WealthNaviのホームページにて、おまかせNISAの注意事項として小さ〜い文字で下記のように記載がされています。
非課税期間終了後、お預かりしているETFが「課税口座」に移った場合、購入当初の価格ではなく、課税口座へ移管した時の価格が基準になり、課税額が計算されます。この新たに基準となる価格によっては、売却時に当初買付時から値下がりしたとしても、課税される場合があります。
上記を一読して、「そんなのわかっているよ」という方は読み飛ばしてください。しかしNISAをこれから始めようという方で、ましてや「よくわからないからおまかせが良い」という方には少々わかりづらい内容だと思います。
例を挙げてみます。
NISAで100円のA株を購入。
5年後、NISA期間終了時A株は90円に下落していた。
この時、NISA口座購入当初の評価額「100円」から特定(もしくは一般)口座上「90円」の評価額に変更されるので、仮にこの90円が100円に上がったら値上がり10円分にしっかり課税されるから注意してね、と上記は謳っているわけです。
NISA口座でなく、特定口座であれば−10円分は「損失」としてカウントでき、他の株式で+10円の利益を同年に出した時、税務上は±0としてカウントしてくれます。これを「損益通算」と呼びます。
NISAは「非課税」のため、プラスのメリットだけではなく評価額がマイナスになっても損益通算は出来ないから注意してね。というメッセージも上記には込められているわけです。
個人的には「おまかせNISA」を初心者がみた時に楽観的なシナリオしか抱かないようなインターフェイスになっている気がしてなりません。
手数料の高さ(税込年率1.1%)
ここまでつらつらとデメリットを論ってきましたが、上記2点はあくまで「一般NISA」の共通項目になりますのでWealthNavi社に特に罪はありません。
唯一、固有のデメリットとして挙げたいのは「手数料」すなわちコストです。税込で年率1.1%はあいろん個人的には検討に値しません。高すぎです。
参考までに、つみたてNISAの優良商品を以前紹介していますので興味ある方はご覧ください。
おすすめしている商品はいずれも手数料0.1%前後です。投資において1%の差はあまりにも大き過ぎます。是非様々な商品を比較検討の上、複利計算をしてみてください。
個人的にはユーザーの資産形成を第一に考えるのであれば、0.5%程度以下まで手数料を抑えられれば大々的な広告に頼らずとも評判で十分戦えるサービスなのに残念だなぁ、という印象です。
ラップアップ
今回はWealthNavi社がサービスを提供している「おまかせNISA」について、おすすめできない理由とデメリットについて紹介しました。
あくまで一意見ですが、短絡的におまかせNISAを利用した挙句「こんなハズじゃなかった!」とならないように判断の一助として頂ければ幸いです。
最後に一言。
投資は自己責任。
自分が理解できてないのに、おまかせして良いことなんて1つもないので注意しましょう。
それではまた!